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- すずらん広報倶楽部2013年11月 突撃取材第6回『~入院患者さんの衣類洗濯を行ってもらっている委託業者さんを出張取材~』
すずらん広報倶楽部
すずらん広報倶楽部2013年11月 突撃取材第6回『~入院患者さんの衣類洗濯を行ってもらっている委託業者さんを出張取材~』
今回の登場人物
<今回お話を伺ったのは・・(右からご紹介)>
ワタキューセイモア株式会社 営業部 営業2課の楳渓(うめたに)課長、当院担当の小川さん
『医療機関様におきましては、寝具、洗濯、日用品、制服(白衣)関連業務を中心にお世話になっております。』
株式会社ワタキュークリーン 中村 営業統括副部長、梅木 生産統括部長
『最近、工場見学にいらっしゃる方が増えております。私どもと致しましても、お客様に直接ご意見をいただくなど「顔の見えるお付き合い」ができるので大変うれしく思っております。』
株式会社ワタキュークリーン 山崎 工場長代行
『江別すずらん病院様でご採用いただいております「ネット洗濯」は、洗濯物の取り違えなどの恐れも少なく、多くの病院様でご採用いただいております。』
<今回取材を行ったのは…>
加藤 二郎(かとう じろう)
経営企画室長代理兼医事課長という正体不明な役職者
『委託しているとはいえ、患者さんの衣類を預かる責任は当病院にあります。よって、これらの業務についても取材の価値ありと考えました(たまには院外で仕事させてください)。』
**:今回は、洗濯業務の委託先であるワタキューセイモア株式会社に『突撃取材』の趣旨にご理解を頂き、当院の洗濯物が実際に洗濯される株式会社ワタキュークリーン札幌本社をお伺いできることになりました。
注:『**』は『加藤の独り言』です。
【最寄駅】
学園都市線の篠路駅です。無理なお願いにもかかわらず営業担当の方に迎えに来ていただきました。
**:工場に向かう途中ではありますが、何しろ『突撃取材』なので・・いろいろお話を伺ってみようと思います。
加藤:前々から疑問に思っていたのですが・・。御社の社名(『ワタキューセイモア』)って変わっていますね。
楳渓:当社は本社が京都にあり、もともとは『綿屋』を営んでいたそうです。そして、創業者の名前が『久七』というらしく・・頭文字をとって『綿久』という屋号になったそうです。『セイモア』については・・『もっと清潔に(清more)』などからとったと聞いています。
加藤:御社では・・本日見学させていただく『患者さんの衣類洗濯』以外にどのようなものを取り扱っているのでしょうか?
楳渓:江別すずらん病院さんにお世話になっているものとしては、他に『日用品セット』『タオルセット』の販売、『リネン』『病衣』『職員制服』のリース等があります。また、最近では『警備業務』や『清掃業務』などにも力を入れており、病院様に幅広くお役にたてるよう努めております。
加藤:うちもいろいろとお世話になっていたのですね・・。ところで担当の小川さんはまだお若いですね。
小川:昨年入社いたしました。1年間の研修を経て、この春より営業担当者として業務を行っております。
加藤:1年も研修があるというのは当院では真似できないくらい充実していますね。
小川:私は、京都にある『一心館』という研修施設で、同期全員で研修を受けさせてもらいました。そこでいろいろな業務を経験することができました。
楳渓:当社では『人財育成』に力を入れており、お客様に失礼がないよう十分な時間を取って新入社員の育成を行っております。『人財育成』のほか『福利厚生』にも力を入れており、職員が働きやすい環境づくりに配慮しています。
加藤:そうですか・・当院も見習いたいですが・・さすがに全国規模の大企業ですね。
【今回伺った工場外観】どうでも良いのですが、当日は天気にも恵まれました。青空が気持ちいいです。
* * *
**:工場に到着すると最上階の会議室に通していただき、梅木生産統括部長よりお話を伺うことができました。
加藤:こちらの工場で、どのくらいの範囲の地域を受け持っているのですか?
梅木:東は恵庭、西は余市、南は真駒内、北は奈井江といったところです。江別すずらん病院さんが移転する前の美唄病院時代もこの工場で対応させていただいておりました。
加藤:結構な範囲ですね。その範囲の洗濯物というと・・どのくらいの量になるのですか?
梅木:一日の量だと・・白衣約4,000着、タオル30,000〜35,000枚、患者さんの私物洗濯3,000枚〜4,000枚といったところです。
加藤:枚数が多すぎてピンと来ないのですが・・。
梅木:重さで言うと1日10t位です。一方の洗濯機は200kgが2台、100kgが5台、90kgが1台他、小さいものもあります。これらの洗濯機を1日12回転位させて対応させていただいております。
加藤:1日12回転というと、フル稼働ですね?
梅木:1回の洗濯に45分程度かかるので・・さすがに24時間稼働とまではいきませんが、職員も2交代でフル稼働させていただいております。
加藤:これから現場を拝見するのが楽しみです。ところで、工場の現場で現在問題となっていることなどはありますか?
梅木:比較的多いのは、私物洗濯へのドライ品の混入や、目視で確認できないような洗剤が付着したものを洗濯することによる洗いジミの発生です。これらはなかなかゼロにはなりませんが、最小限となるよう努力しております。また、発生してしまった際には誠意をもって対応するよう心がけております。
加藤:まあ、ドライ品を通常の洗濯ネットに入れてしまうのは依頼者側の問題でもありますよね。ところで、洗濯物の『取り違え』などはどうでしょう?
梅木:個別の洗濯ですと、どうしても取り違えのリスクは発生しやすくなります(これを工場では『パズル方式』と呼んでいるそうです。)。その問題点を改善したのが『ネット方式』です。詳しくは現場でご確認いただければと思います。
**:そして、工場見学開始となりました。ここからは写真中心で様子をご紹介します。
【工場の様子】
皆さん忙しそうに働きつつ、気持ちの良い挨拶もいただきました。
【洗濯物搬入】
当院の洗濯物を発見しました!この中に患者さんが出したネットが入っています。
【検品・洗濯用ネットへの入れ替え】
搬入後の洗濯物はネットから一つずつ取り出され(左)、ドライ品混入の有無などを検品したのち、洗濯用の大きなネットに移し替えられます。入れ替え作業は一つずつ行い、元のネットも洗濯用ネットに一緒に入れることで取り違えを防止しています(右)。ちなみに、患者さんに提供されるネットの色は、病棟(階)ごとに違う色となっており、ここでも取り違えを予防しているそうです(知りませんでした!)。
【洗濯→乾燥】
検品後は大型洗濯機(左)の出番となります。複数施設の洗濯物を一緒にしないルールとなっており、施設名が分かるよう張り紙(写真では中央から見て左上の部分)をします。
洗濯の後は大型乾燥機(右)による乾燥です。衛生上の観点から乾燥温度・時間が決められています。
【検品・たたみ・袋詰め】
乾燥後の洗濯物は一つ一つ袋から出され、検品したのちにたたみます(左上)。その後、患者さんごとのネット数を確認し(右上)、病棟ごとにまとめて大きな袋に詰めます(左下)。
なお、前半分で話のあった『パズル方式』(右下)では、職員の方が難しそうな顔をしながら洗濯物とにらめっこをしていました。『ネット方式』が合理化された方法であることを再確認できました。
*個人情報保護その他の理由により、一部の写真にぼかしを入れさせていただいております。分かりにくくてすいません・・。
**:患者さんの洗濯物が工場でどのように取り扱われているかを確認することができました。これで今回の訪問目的は達成されましたが、山崎工場長代行のご厚意もあり、他の工程も見学させていただきました。こちらも写真中心でお届けします。
【トンネルフィニッシャー】
白衣等をハンガーにかける(左上)と、機械の中を通る過程で乾燥されて出てきます(右上)。出てきた衣類は乾燥状況を確認し、ズボンの線付けなどの簡単なアイロンがけを熟練工が行います(左下)。
【特殊な衣類乾燥機】
当院が委託している業務とは関係ないですが・・衣類をセットしてスイッチを押す(左上)と、スチームが内側から出て(右上)、内側から圧がかかり衣類が膨らみます(左下)。高速乾燥、しわ取り機能を持つ優れものです。いきなり衣類が膨らむ様は、どこかの格闘漫画のワンシーンを観るかのようです。
* * *
**:当初は不安もありましたが、何とか無事に取材を終えることができました。本日の見学結果を当病院の職員にも伝え、委託業者さんとも協働してサービス向上に努めていきたいと思います。また、今回の取材及び写真撮影について許可をいただいたワタキューセイモア株式会社、株式会社ワタキュークリーンの両社には改めて御礼申し上げます。
さてと・・職場に帰りますか・・。
(平成25年10月18日に取材を行いました。)