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コラム
コラム2017年09月「江別色の夏」
注:当コラムは、多少大げさな表現を用いている部分があります。
予めご了承ください。
今年度の夏祭りは、医事課長桜Iの思わぬ発言から幕を開けた。
「なんかさぁ、外でピザとか焼きたいよね。」
その発言を聞いた周辺のスタッフは、最初は半信半疑だった。
「ピザって…、焼けるものですか?」
「ピザ生地ってどうするの?」
「そもそも素人ですが…。」
そんなスタッフらの疑念が晴れない中、桜Iのピザ愛がどんどん勢いを増していくのを、周辺のスタッフは知る由もなかった。
ある日。
「ピザ釜買ったから。」
「…へっ?」
少し話が変わるが、江別市は、かつてレンガの生産が盛んな町であった。
全盛期から比べると、レンガの需要は減少傾向にあるのだろうが、それでもレンガ産業は現在も脈々と長い歴史を積み重ねている。
そんな中、レンガをブロックのように積み上げることで釜になるという画期的な商品を販売している会社が江別市内にあるそうで、桜Iが今年度の夏祭りの目玉の一つとして目をつけたものだった。
「釜、買っちゃったんですね…。」(誰かの心の声)
ここから、ピザ研究会として桜Iを中心に、多忙の中なんだかんだと揺るぎない実力を発揮するU田栄養士、ピザ生地に異常なほど愛情を注ぐK岸PSW、パン職人の息子だというだけでほぼド素人同然のY平OT、その他多くの方々のご協力の中、試作に試作を重ねたのは敢えてここでは割愛する。それでも桜I自身はピザについて、そこまで滅茶苦茶好きだというわけでもないと発言しているのが未だに謎でしかない。
ピザはともかく、他にも昨年を上回る様々な準備が行われ、平成29年8月5日、当日を迎えた。
当日は、江別特有のクセのある風が時々辺りを駆け抜けていったものの、終日すがすがしい青空に恵まれた。
午前から会場の設営や出店のセッティング、最後の飾り付けなどを行っていく。
患者様を迎える職員たちも、会場が出来上がっていくにしたがって徐々に気持ちが引き締まっていくのである。
午後、夏祭りが始まった。
患者様がそれぞれの出店に分かれていく。 合わせて、一般のお客様、入院されている患者様のご家族なども、続々と会場を訪れ始めた。
前日の夜まで仕込みをし、試行錯誤を繰り返したピザは…
なかなか良い焼け具合。今回直球で勝負しようというスタンダードなマルゲリータピザは、当日が一番上手く焼けたように思う。
お願いだから江別の風で飛ばされないでほしい。
綿あめを作る2階病棟K脇Ns。キレのある体格をしているのに、何故か妙に似合う。
デイケアの皆さんはコーヒーを販売。良い香りが、お客様の心を掴む。
他にも…、バザーを出したり
ワークショップとして、ペットボトルでかわいいマリンボトルが作れるブースも。
その他様々な出店が、会場を賑わせていた。食券の当日券も大盛況。
さわやかな天候にも助けられ、会場は多くの人で賑わった。
そして、今回二つ目の目玉として登場したのが、江別市のゆるキャラ、えべチュン。えべチュンも分刻みのスケジュールで多忙らしい。
ちなみに両側に写るのは我らが安田院長(左)と、H間PSW(右)。
夏祭りの後半は、当院6階機能回復訓練室でミニライブが行われた。
これが今回3つ目の目玉となったイベントだ。今回来てくださったのは、Watana Besuta SOCIAL club(ワタナベスタ ソシアルクラブ)さん。通称ベスタさん。
江別市出身で、えべつ観光特使でもいらっしゃるソロシンガーソングライターだ。
詳しくは、ベスタさんの公式ホームページで。筆者の好きなアニメがベスタさんもお好きなようで、親近感も急上昇。イケメンですなぁ。
ベスタさんの、優しくも力強い歌声。歌詞に込められたメッセージ。
時折笑いを誘うお茶目な部分もあったりして。
会場を魅了したベスタさんの歌声も、時間の訪れとともに、名残惜しくも終了。
これをもって、今年の当院の夏祭りも終了となった。
ベスタさん、突然のアンコールにも快く応じて頂き、ありがとうございました。
今回の夏祭りは、かなり江別という街を意識したものであった。
レンガを使ったり、江別のゆるキャラを呼んでみたり、江別市出身のアーティストをお招きしたり、出店に関しても地元のお店とコラボレーションしたものもあった。
当院が開院してもう6年目になるが、それでも地域の病院としてはまだまだ歴史は浅い。
病院もまた、この江別という街をつくる要素の一つであり、なにより地域の病院として認められたい。この夏祭りには、そんな職員たちの願望が込められているのかもしれない。
ニュースで流れるほど今年の残暑は厳しい感じがなく、気がつけば季節はすでに秋。
木から落ちた枯葉は、風に吹かれてカサカサと音をたてている。
当院も概ね夏祭りの余韻は消え、すでに次の催し物に向けて動き始めている。
時間の流れとともに、当院を訪れる人も、患者様をお迎えするスタッフも、少しずつではあるけれど変わっていく。
それが時代の流れというものなのだろう。
それでも、変わらないものもある。
全ては、当院を必要とする患者様と、患者様が暮らすこの地域のため。
ここに在るのは、そんな私たちの想いです。
(文:パン職人の息子(リハビリテーション課)写真:経営戦略部Tほか)