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コラム
コラム2015年01月「いつものメリークリスマス」
世間が着々とクリスマスに向けて準備を進めている頃、当院でも12月19日(金)の院内クリスマス会に向け、リハビリテーション課が密かに準備を進めていました(別に隠していたわけではありません)。
前日の飾り付け風景です。高い所の仕事はいつも人任せにしていた筆者ですが、久々に脚立に上ると変な汗をかきます。
会場である機能回復訓練室に入る前の廊下です。筆者ではないOTが飾り付けを行うと、とてもハイセンスな感じがします。
普段のカラオケプログラムでも大活躍中のカラオケの機械です。クリスマスの装いで、何だか嬉しそうです(筆者の勝手な解釈です)。
電飾を使えば何とかなるのではないかという筆者の甘い考えが顕著に出た1枚です。でも、きれいだと思うのです。
クリスマス会当日はOTスタッフも衣装を身にまといます。当院ではトナカイの着ぐるみを「鹿」と呼ぶ傾向があります。
会場前の廊下もきれいに装飾されました。外の光ができるだけ入らないようにしたいというOT88号らの熱意とこだわりが感じられます。
筆者らがせっせと脚立に上った結果、こんな風に仕上がりました。これでも大変なんですよ。
クリスマス会に向けて、徐々に患者様が集まってきました。じりじりと緊張感も高まります。
司会進行も患者様にお願いしました。準備も整い、クリスマス会スタートです。
前半は患者様のカラオケ発表です。たくさんの患者様が、その美声を大いに披露してくださいました。
車椅子の患者様も参戦です。この時歌われた『赤鼻のトナカイ』は、クリスマスムードを一層盛り上げてくれました。
毎年ご無理を言って福場先生にギターの弾き語りをしていただいています。今年の曲は『知床旅情』と『翼を下さい』でした。福場先生の力強い歌声が会場中に響き渡りました。
そして会を締めくくる挨拶も毎年のように梅本看護部長にお願いしてしまっています。いつも快く引き受けてくださり、感謝感謝です。
梅本看護部長の「楽しめましたか!?」の掛け声に合わせて「おー!」と声を出してクリスマス会は終了です。会場が一つになる感じがして、ばっちり締めくくられます。
こうして今年度のクリスマスも無事終わりました。
しかし、クリスマスはどうしてここまでして受け継がれ続けているのでしょうか。
クリスマスという日が宗教的な意味を持っていることはここではさておいて、小さい頃は、赤鼻のトナカイが引くソリにプレゼントをいっぱい載せたサンタクロースが、夜空を飛び回りながら家々を回って、屋根の上の煙突から部屋に入って、枕元の靴下の中にプレゼントを入れていく、という幻想を一度は信じたことがあったかもしれません。私も自宅の煙突がやけに細かったので、サンタさんは通れるのだろうかと当時は心配したりもしました。 もちろん世界にはサンタクロースとして認められている人がいるらしいことも知られてはいるのですが、一般的にはやはり、サンタクロースは夢の中の存在であることが子供心に少しずつわかってきて、子供は子供なりにその事実に納得して、やがて大人になってまた子供のためにサンタクロースの役割を担うようになっていくようです。
どこかの段階で人は、サンタクロースという誰もが知っているのに会ったことがない人物が実際には存在せず、プレゼントも子供に喜んでもらうために大人が準備していることに気づきます。
気づいたうえで、それでもなおこの一連の行事は続けられているのです。
夢のような話は、現実的には叶うはずはないのだと、わかっているはずなのに。
しかしこのクリスマスにあるのは、そのような"諦め"ではなく、"憧れ"であるような気がします。
"諦め"と"憧れ"のどちらも、手が届かないものであるということは同じなのですが、そこで終わってしまう"諦め"とは明らかに違う"憧れ"が、このクリスマスには溢れているのだと感じます。
大人になればそれだけ、プレゼントの形が多様化してきますよね。
ちょっとした偶然だって、プレゼントのように感じられます。
おそらく叶うはずなんかないとわかっている。
そんな都合良く素敵な出来事が起こるはずなどないのだと。
でも、もしかすると、世界中の人たちが願って、そして叶わなくても、これだけ大勢いればその中の自分だけはたまたま願いが叶うかもしれない。
心のどこかほんの少しの部分で、それを期待している自分がいるのではないでしょうか。
それってきっと、楽しいことですよね。
どこかで似たような話を読んだことがあるような気はしますが。
クリスマスというのは、後から考えれば笑ってしまうようなあり得ない奇跡を、世界中の人々が真剣に期待しても良い一日なのかもしれません。
(文・写真:リハビリテーション課)