コラム

コラム2014年04月『2ページ』

 美唄病院が生まれ変わった江別すずらん病院がこの地に誕生して2年が経過した。今3年目への突入にあたり思うことは何だろう。思わなくてはいけないことは何だろう。本院、そして2つのクリニックにとって昨年度はどんな1年だっただろうか。
 ずっと夢に描いていた船を完成させ、海に浮かべて出航したのが1年目。不安と希望を積み込んで、大陸だなに守られた穏やかな海域を進む船出。しかし2年目、水平線の向こうに待っていたのは紛れもない現実という名の荒海。予測できない天候に見舞われながら、船自体の問題も次々明らかになる。そう、まさに昨年度は夢心地のベールに隠されていた、様々な問題点が浮き彫りになった一年だったように思う。

 春と秋の健康相談、特別講演、すずらん夏祭りにクリスマス会と初年度よりもパワーアップできたイベントもたくさんあった。江別すずらん病院・美唄メンタルクリニックのデイケアもそれぞれの展開を見せ、北広島メンタルクリニックも含め3箇所での訪問看護もニーズを増やしていけた。各種専門外来、依存症患者の入院を対象とした専門プログラムも形になってきた。
 しかしベッドが満床に近づくにつれ、開院当初のようにいつでもすんなり入院調整がつくわけではなくなった。ベッドコントロールは大きな難題である。外来の患者数が増えれば待ち時間も増える。仕事量が増えれば職員の身体的・精神的ストレスも増えていく。職員もシステムもレベルアップが求められるのだ。そして急速な成長には必ず痛みが伴う。

 航海日誌の2ページ目には数々の問題が書き込まれた。そして迎える3年目。新しいページに、ちゃんと答えを書き込めるだろうか?

 何が大変だ。何がマンネリだ。
 私はこの仕事を愛している。

(文:船員)

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