コラム

コラム2013年03月『3月の作詞』

学内恋愛

1年生の冬 それは突然の告白
あなたのことは知らないわけじゃなかったけど
クラスで目立つあなたがクラスで地味な私に?
いったい何が起こったのか正直わからなくて

そりゃ大学生だし そっち方面の期待も
なかったわけじゃないけどあまりに突然過ぎて
でももうすぐクリスマスだし あたしの気持ちも全部言って
つき合ってみるのもいいかな、なんて

何かいいことあったの?、とか 友達に訊かれるのも楽しくて
ルージュ引いたり絵文字増えたり 自分の変化に戸惑っていた


2年生の春 クラスでも公認の仲に
同じ状況の女友達に お互い大変ね、なんて
あなたのサークルの仲間も紹介されて
どんどんどんどん広がっていく 私のキャンパスライフ

大学生になったらやろうと想ってたことが
次々なおざりになっていくけどそれでも幸せ
友達の協力で一泊旅行も大成功
嬉し恥ずかし これこそ青春

一人暮らしを始めるための パパへの言い訳も考えなきゃ
確かめ合える二人の時間 恋人なんているのが当然


3年生の秋 二人で朝ごはん食べて
二人で学校行って 買い物して 二人で帰って
あなたの将来の夢の話も言ってくれて
あなたの進路お役立ち情報集めたりして

自分のことは後回し 今はただあなたの役に立ちたい
あたしはいっそ永久就職でもいいかな、なんて
でもそんな時偶然話に聞いた
あなたがサークルの後輩と噂になってると

まさかそんなことあるわけないと 冗談めかしてあなたに訊いた
あなたは何も言い訳せずに ごめん、とただ一言目を伏せた


4年生の夏 面接アポ取り資料集め
就活の遅れを取り戻すので大忙し
単位も足りてるから学校行く用事もなくて
自然と顔を合わせることもなくなって

読もうと想ってた本を読んでみたり
我慢してたメガトン大盛りカレーを食べてみたり
クラスの男友達と今更仲良くなったり
そんなことをしてるうちにもう卒業式

謝恩会でも結局何も話せないままで離れ離れ
そういえば二人で計画してた卒業旅行 今頃だったね


新しい土地 新しい暮らし
新しい人間関係の中で働いてる
学内恋愛なんてよくある話と知ってたのに
よくある結末には目を背けてた

引越しの荷物整理してたら 卒業アルバム用にとっておいた
お気に入りのツーショットの写真が出てきて 思わず泣いてしまった

確かにあった二人の時間 今ではもうどこにもないんだね
でもあなたに会えて好きになって 楽しかったあたし、それは本当

同窓会があったらちゃんと来てね あたしも行くから もうごまかさずに
こんなヤツと別れてせいせいしたよって みんなの前で笑って言おうね

Written by 福場将太

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