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コラム
2012年08月(2)『ありがとう、美唄病院』
江別すずらん病院の前身である美唄病院が今、無くなろうとしています。築41年の病院は男女共用のトイレに始まり、ひび割れた壁に隙間風、砂利の坂道・・・働いているときには不便だなぁと思うこともありましたが、どれもが懐かしく思います。
昭和の40年代に建てられた美唄病院は歴史の流れから公共交通機関では行きにくい山の中にあり、社会防衛的な機能を持った入院施設でした。当時少ない医療スタッフで多くの患者様を把握し安全を確保できるように長く作られた廊下は美唄病院の骨格を作っています。
昭和60年代以降には精神保健法や精神保健福祉法が制定され、長期入院患者の退院促進がさかんに叫ばれるようになりました。当院でも長期に亘って入院されていた患者様が退院しました。しかし、人里離れた精神科病院では退院に向け練習する場所、サポートしてくれる機関や人が少なく退院訓練を行う上での困難もありました。少ない支援の中、退院に向け医師や看護師、作業療法士や精神保健福祉士などが協力しチームで働きかけ、無いものは作ろうと奮闘した経験はとても貴重なものだったと実感しています。
今、江別すずらん病院が開院してから3カ月が経過しました。JR高砂駅から3分の立地、隣にはスーパーマーケット、多くの施設など今までとは異なる環境に戸惑いもありましたが、ここ江別で地元に密着した医療を展開していくという目標に向かい職員一丸となって努力しています。
41年間、美唄市の精神科入院医療を支えてくれた美唄病院に感謝の気持ちでいっぱいです。
さようなら、美唄病院。ありがとう、美唄病院。
(文:地域連携・医療相談課/写真:事務部)