すずらん広報倶楽部

すずらん広報倶楽部2015年12月 突撃取材平成27年度第2回『〜認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材〜』

※登場人物は結構多いので文中でご紹介します。

〜 * * * 〜

※※:昨日まとまった量の雪が降った12月某日、筆者は院内掲示により『突撃取材』の任務を思い出すのでした。
(※※は筆者の独り言です。)

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【院内掲示です。】
「よりみちカフェ」の「カフェ」というフレーズが気になり内容を読んでみると…。

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【本年度第1回突撃取材からの抜粋です。】
これは前回「突撃取材」で川岸記者が言っていた「認知症カフェ」というやつのようです。1回目は都合により取材できませんでしたが…。2回目の分は、私の手帳にも「突撃取材」と書いてありました…。

※※:という訳でスクランブル出動で「突撃取材」に赴きます。ここからは写真中心としつつ一部は取材形式でどうぞ。

〈〈まずは会場での準備から〜〉〉

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【大麻銀座商店街です。】
今回の会場は商店街の中です。東京の銀座を知らない川岸記者から「銀座って…こんな感じですか?」と聞かれましたが…。いろんな銀座があるのです。

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【元気プラザ(会場)入口です。】
シルバー人材センターのオフィスをお借りして行います。今回、病院紹介も行う予定の川岸記者は設営のため早めに現地入りです。

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【ちなみに…。】
シルバー人材センターの業務内容です。ノウハウを持った方が来てくれるので大変便利です。

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【元気プラザ内部の様子です。】
「よりみちカフェ」開催準備のため配置は普段と異なるようですが…。地域の方が作成した小物などの販売もしているようです。普段もコーヒーなどを販売しており、気軽に立ち寄れるスペースのようです。

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【早速設営開始です。】
プロジェクター等の準備を開始します。赤ちゃんが来ても良いようにベビーベッドがあるそうですが…この時ばかりはちょっと画をややこしくしています。

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【クリスマスの飾り付けですね。】
コピー機の使い勝手を度外視した豪快な飾り付けです。イベントはこのくらい盛り上がったほうが楽しいですよね!

〜 * * * 〜

※※:そうこうしているうちに主催・共催側の職員の方々が到着しました。会が始まる前に…と、『突撃取材』を試みました。

〈今回の登場人物①〉江別大麻第一地域包括支援センター職員の皆様

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

松岡宏樹(まつおかひろき)さん
管理者・主任介護支援専門員・社会福祉士
〜今回取材でお話を伺いました。〜

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

荻野陽子(おぎのようこ)さん
保健師
〜てきぱきとした司会進行が印象的でした。〜

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

坂口真理(さかぐちまり)さん
介護支援専門員
〜カフェの準備など裏方的な業務を段取り良く行っていました。〜

加藤:今回この「よりみちカフェ(認知症カフェ)」を開催することとなったのはどのような経緯なのでしょうか?

松岡:「認知症カフェ」という言葉自体はテレビや新聞などで少しずつ認知されてきているのかと思いますが…。そんな中、地域住民の方から「この地域にもあるといいのに」というお声を頂戴しました。2〜3名の方から要望があったので「それではやってみるか」という話になりました。

川岸:厚生労働省の「オレンジプラン※1」の中でも、平成30年くらいを目途に、各地域で「認知症カフェ」のような交流の場を設けることが求められているのですが…。「折角なら行政に言われる前にやってみよう」ということで、認知症疾患医療センターである当院にもお声掛けをいただいたのがご縁となっております。

加藤:「ちょっとやってみよう」を実現できるというのは素敵な組織ですね!他にはどのような取り組みを行っているのですか?

松岡:独自で行っているものとしては、「徘徊模擬訓練」や「ハッピーウォーキング」があります。

加藤:「ハッピーウォーキング」は何となく想像できますが…。「徘徊模擬訓練」というのはどういったことをするのですか?

松岡:早めに110番をして徘徊者を探すという手順を確認しながら、110番で聞かれる情報の確認をしたり、探す側の立場で徘徊者に身に着けさせるべき情報の確認をします。また、携帯電話のGPS機能などの情報提供も行います。

加藤:確かに実際やってみると事前の対策も講じやすそうですね。「認知症カフェ」に話を戻しますが、今後の展開はどのように考えていますか?

松岡:今年は8月に第1回を開催し、今回が第2回目です。来年3月にも開催を予定しており、本年度は3回実施する予定としております。実施の都度、参加者にご意見をいただき、実施内容や回数等を見直したいと思っています。今後、徐々に地域主導となるようにして行きたいと考えています。

川岸:今回は前日の雪で参加者がど少ないのではないかと心配ですが…まだまだ私たちも手探り状態です。

加藤:今後の展開を楽しみにしています。有難うございました。

〈今回の登場人物②〉NPO法人さいわい成年後見センター

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

森田弘之(もりたひろゆき)さん
副理事長
〜今回お話を伺いました。〜

加藤:まず、「さいわい成年後見センター」さんではどのような業務を行っているのでしょうか?

森田:主な目的は「成年後見制度※2」の普及活動で、その一環として相談業務や講演活動も行っています。

加藤:基本的な質問になってしまいますが…。「成年後見制度」を普及することは何故大事なのでしょうか?

森田:例えば自分の家を売ろうとしても「判断能力がない」と判断され成年後見人が必要となるケースがあります。高齢化社会の進展に伴い、このようなケースは増加することが予想されますが、一方のなり手は親族以外弁護士などが中心で絶対数が足りない状態です。

加藤:そのようなことが起こると、その人のライフプランに与える影響も大きいですよね。成年後見人になるにはどのような要件が必要なのでしょうか?

森田:資格などは特に必要ありませんが、江別市では「市民後見人」という制度を作り、市民への啓もう活動を行っています。最終的に裁判所が成年後見人としての適否を判断するので、成年後見人となる人が制度への理解を深めることは重要と考えています。

加藤:「市民後見人」ですか…!その役割は何ですか?

森田:「身上監護(しんじょうかんご)※3」「財産管理」を行うことを目的としており、市もこれらの活動を通じて「成年後見制度」への理解を深めようとしています。

加藤:「認知症サポーター制度※4」と似ていますね。いずれにしても高齢化社会に地域で対応するための枠組み作りの一つと理解しました。認知症疾患医療センターである当院との関わりも少なくなさそうですので今後ともよろしくお願いいたします。

〜 * * * 〜

※※:と、お話を伺っているうちに「よりみちカフェ」開始の時刻となりました。ここからは写真でどうぞ。

〈〈「よりみちカフェ」が始まりました。まずは情報提供から〜〉〉

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【司会の荻野さんが参加者に呼びかけます。】
ようやく始まったか、と思いきや時間は開始時間の30分後…。どうやら「よりみちカフェ」は既に始まっていたようです。するとこれは…「よりみちカフェ」の勉強会開催のアナウンスといえばご理解いただけるでしょうか?

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【川岸記者⇒川岸演者の登場です!】
筆者自身の過ちに気付いたのもつかの間、我らが川岸記者による「病院紹介」が始まりました。

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【紹介中の様子です。】
堅苦しい雰囲気とならないよう、座って病院紹介をする川岸記者…。淀みない発表を5分にまとめます。同じ組織の人間が言うのも何ですが…輝いていましたよ!

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【続いて、さいわい成年後見センターさんです。】
こちらはポスターを持参されての紹介でした。「あとはお話をしながら…」というスタンスで、こちらもきっちり5分で紹介を終えます。2回目と思えない段取りの良さです!

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【「エンディングノート」の紹介もありました。】
手遅れにならないうちに自分の情報整理・情報管理をすることが大切ということのようです。筆者は初めて「エンディングノート」を見ましたが…結構ボリュームがあって書くの大変そうです。

〈〈あとは参加者同士のコミュニケーションタイムです〜〉〉

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【女子会?】
さっそく話に花が咲きます。川岸記者も情報提供時と打って変わって皆様の輪に溶け込みます。あくまで個人的な感想ですが、職場にいる時には見られないくらいの素敵な笑顔でした。

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【輪投げですね。】
昔の遊びをしながら交流を深めたりもします。筆者もやってみましたが…1/5 という結果で皆様の失笑を買います。

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【こちらは…コマ回しですね。】
やり方を知らない人も教えてもらいながら一緒に楽しみます。ちなみに筆者は…。

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【実は昔、結構やっていました。】
2回目で成功します。昔流行ったあの時の興奮がよみがえる瞬間です。

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【皆さん思い思いに楽しみます。】
奥の壁で的当てを楽しむ方(写真撮り損ねました…。)、話をする方、そして…。

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【ん?】
本格的な「茶」を飲みながら談笑する方…て、茶?

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【え?】
ご趣味だそうで、茶器等持参され茶をたてる方までいらっしゃいました。こちらの方、実は「さいわい成年後見センター」の理事の方とのことで…ご紹介が漏れて申し訳ございません!

〜 * * * 〜

※※:という訳で、2時間はあっという間に経過しました。20 名弱の参加者もあり、盛況のうちに「よりみちカフェ」は幕を閉じました。このような会に参画させていただけることは当院にとっても非常に意義深いことだと感じました。川岸記者、お疲れ様でした!!

認知症疾患医療センターの院外活動「認知症カフェ」を取材

【帰り道です。】 「さいわい成年後見センター」森田副理事長と情報交換しながら散会となりました。川岸記者曰く「いずれ江別すずらん病院でもこのようなイベントを行いたい。」ということでした。今後の展開にご期待ください!

※1 オレンジプラン
2012年9月に厚生労働省が発表した、2013年度からの認知症5か年計画の通称のこと。「認知症カフェ」はこの中で「地域での日常生活・家族の支援の強化」のために整備することとされている。

※2 成年後見制度
精神上の障害(知的障害、精神障害、認知症等)により判断能力が十分ではない方が不利益を被らないように家庭裁判所に申し立てをして、対象者を援助してくれる人(=成年後見人)を付けてもらう制度のこと。

※3 身上監護
被後見人が適切に生活できるように、以下のような身の上の手続きを行うこと。
・病院に関する手続き・介護保険に関する手続き・施設入退所に関する手続き
・教育やリハビリに関する手続き・住居の確保に関する手続き等

※4 認知症サポーター制度
認知症について正しく理解し、認知症の人や家族を暖かく見守り支援するサポーターを養成する制度のこと。「認知症カフェ」同様、オレンジプランの中で「地域での日常生活・家族の支援の強化」のために養成することとされている。

(文・写真:すずらん広報倶楽部)

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