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コラム
コラム2018年06月「北海道アルコール看護研究会に参加」
平成30年6月23日(土)、江別すずらん病院、そして美唄すずらんクリニックの有志スタッフと共にアルコール看護研究会に参加してきました。会場は千歳病院。看護師さんだけでなく、精神保健福祉士さんに保健師さん、管理栄養士さんまで五十人以上が集っていました。
今回の内容は事例検討。参加者は五つのグループに分かれ、各病院が挙げた困難事例や困惑事例に対しそれぞれ意見を出し合うというもの。
いやあ三人寄れば文殊の知恵とはよく言ったものです。各グループ十数人ずつの中に様々な職種が割り振られているおかげで、各人が専門家として発言できます。もちろん事例の資料は個人情報に配慮されているので患者さんの詳細はわかりませんが、それでも自分一人では思いも寄らなかった視点や手法がどんどん出てきます。やはり一人の人間でしぼれる知恵には限界があるんだなあと痛感しました。
会の最後は各グループが検討した結果を発表。とても興味深く拝聴しました。その後に一応スーパーバイザーとして(実際にはとある課長にはめられて知らないうちにそうなっていた)僕がコメントしたわけですが、医学的というよりこれからもみんなで連携しようという決起集会の演説みたいになってしまいました。でもこの場にはそれが一番ふさわしい気がしたのです。
実は昨年度の看護師国家試験の長文問題にも依存症が取上げられていました。依存症はもはや社会問題といってもよいくらい身近で深刻な病気になっています。しかしその知識の普及はまだ不十分で、医療や福祉に携わる者でも専門プログラムに関わっていなければなかなか基本を学ぶ機会も少ないです。その意味では依存症の支援者はまるで華やかなサークルの陰に身を潜めるマニアックな同好会。江別すずらん病院でもようやく依存症プログラムが認知されてきましたが、かつてはきっと謎の集まりをしている謎のスタッフたちと思われていたことでしょう。
今回集ったみんなも、日常においてきっとそんな苦労があるのではないでしょうか。だからこそ同じ分野にやりがいや必要性を見出す仲間で語らうこの場がこんなに盛り上がるのです。この会はただの勉強会にとどまらず、支援者の心を元気にする自助グループでもあるのです。
職種間の対立が起こりやすいことで有名な精神科業界。多職種がこんなふうに集えるのは本当に嬉しいことです。
まさにチーム医療。院内にとどまらず、北海道全体でチームになれたらいいですね。
(文:福場将太)