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コラム2018年04月「6ページ」
平成30年4月、医療法人風のすずらん会はいよいよ7年目に突入した。毎春書き残しているこの航海日誌コラムも少しずつ厚みを増してきた。いつの日かこれにタイトルを付けるとしたら、きっと私は『動乱日誌』と命名するだろう。
動乱…おおよそ病院には似つかわしくない言葉だが、これ以上に風のすずらん会にしっくりくる言葉はない。
現在の理事長先生が着任されてからというもの、私は一年一年どんなことがあったかを鮮明に記憶している。別に記憶力がよくなったわけではない。毎年のように変化が起こっており、去年と同じということがないから自動的に印象に残っているのだ。
まだ生まれたての法人なので成長過程で変化が多いのは当たり前なのかもしれないが、この激しさはまさに動乱。毎年のように新しいサービスを開始したり、新しい建物を建てたり、新しいシステムを作ったり、新しい人事が発令される。それはまるで、地図を渡されて旅に出て、冒険の末にようやく宝を見つけて腰を下ろしたらすぐまた次の地図を渡される感じだ。それは落ち着きないようにも思えるが、立ち止まらないこと、必ず動くことによって生じるエネルギーが確かにこの法人にはある。医療も組織もけして淀ませずかき混ぜ続ける、まあ時にはかき混ぜ過ぎて乱気流を生み出していることもあるが、少なくとも暇や退屈がそこにはない。
4月は入職の季節。新入職員たちを見ながら思う。誰だって若い時は荒削りで未完成だ。しかし若いからこそのみずみずしいエネルギーがある。どうすればそれを失わずにいられるのだろう。永遠に若さを保てるのだろう。
もしかしたらその答えが未完成であり続けることなのかもしれない。若いから未完成なのではなく未完成だからこそ若くいられる。この法人が自ら動乱を起こして安息を許さないのは、軌道に乗ったと思ったら自ら脱輪させるのは、永遠に未完成でいるためなのかもしれない。若さのエネルギーを宿し続けるためなのかもしれない。
そんなわけで昨年度、航海日誌の6ページ目にももちろん大きな変化が記されている。まずは『メンタルクリニック アイリス』。美唄、北広島に続いて開院した当法人三つ目のサテライトクリニックである。場所はなんと福岡。その存在が今後どんなふうに物語に絡んでくるのか非常に楽しみだ。そしてこの春には保育園も始まったことも大きな変化としてここに記しておこう。
さらに理事長先生から打ち出された平成30年度のスローガンは「表に出ろ!」。院内だけで凝り固まらず、対外的にどんどん講演活動やイベント開催を行なえということだ。新しい建物を造ってそこに馴染んできたら今度はそこから出ていけとは…まさにこれが風の動乱会、じゃなくてすずらん会。永遠に未完成な法人は簡単に物語を閉じさせてはくれない。
フォーエバーフレッシュ、四つの船はまだまだ前へ進めそうだ。
(文:クルー)