コラム

コラム2017年07月「北海道アルコール看護研究会に出演」

 平成29年7月22日(土)、北海道アルコール看護研究会が行なわれました。この会は平成6年から年に数回の研修を基本として活動しておられ、今年の3月には全国大会も行なわれたりと、依存症支援に携わる者たちが知恵を出し合う自助グループのような集まりとなっております。
 今回の会場は我らが江別すずらん病院の体育館。そんなわけで当院の依存症プログラムチームも颯爽と参加、基礎講座として講演もさせて頂きました。

北海道アルコール看護研究会

 今回のテーマは『嫌われてしまう患者たち、憎んでしまう支援者たち』。依存症は精神科の専門疾患の一つでありながら、その治療に対応しない病院が多いことでも知られています。その理由はいくつかありますが、大きな理由の一つに「治療者が患者に対して陰性感情抱いてしまいそんな自分が嫌になってしまうから」ということがあると思います。  事実、依存症を患う人たちは周囲から嫌われてしまうことが多いです。通常病気になれば周囲から心配され家族や仲間との絆は深まるもの。何故依存症ではそうならないのか、そして患者を理解すべき支援者までどうして自分たちの仕事が嫌になってしまうのか。今回は支援者向けの講演でしたので、一人でも多くの人が依存症治療に前向きな興味を持ってくれたらとの願いを込めて話をさせて頂きました。

北海道アルコール看護研究会

 講演の後はグループワークということでみんなで色々な意見交換をしました。看護師、保健師、OT、PSW…それぞれの病院、それぞれの街にそれぞれの悩みがありながらも、みなさんの情熱や姿勢にとても心をほだされました。時々は嫌になりながらも、やっぱりみなさんこの仕事を愛しておられるようです。たくさんの元気を頂きました。

北海道アルコール看護研究会

 依存症を患う人たちはけして嫌われるべき存在ではありません。私たちの仕事はけして憎み合いではありません。依存という人間なら誰もが持っている心の営みについて、支援者・ご家族そして患者さんご本人、みんなで考えていきましょう。

【音声】(再生時間 2:34・2.5MB)

(文:福場将太 写真:おいらはドラマー)

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