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コラム
コラム2016年12月「ゲートキーパー学習会に出演」
平成28年12月7日、江別市保健センターで行なわれたゲートキーパー学習会にて当院の依存症プログラムチームが講演をさせて頂きました。演題は『アルコールが心に与える影響 ~日常から気をつけておきたい自殺予防~』。自殺というテーマはどうしても考えていると心が暗くなってしまい勝ちですが、できるだけ明るく、死ぬことより生きることについて考える講演になればよいなと思いながらお話させて頂きました。
人は何故生きるのか、そこにはいくつもの考え方があると思います。生・老・病・死が四苦と言われるように、生きることはそれ自体が苦しみ。誰だって生きるのが嫌になることはある。どんな言葉を並べられてもそれより死にたい気持ちが勝ってしまう時がある。
それでも生きていてほしいなんていうのは、結局は当事者ではない人間の自己満足なのかもしれない。
医師は医学の専門家ではあるが人生の専門家ではない。生き死にがどうのと話すのはおこがましい。でも日和見ばかりではっきりと意見を言うことに臆してしまう時代だからこそ、ここだけは言い切らなくてはいけないのではないだろうか。
自殺はしてはいけないと。例えどんな事情があってもしてはいけないと。
まずはそんな話をたくさんの人としてみよう。一人で答えを見つける必要はない。一人で強くなる必要はない。持ちつ持たれつ、支えたり支えられたりしながらやっていけたらそれが一番素敵なことだろう。
人間はアルコールという物質を発見してしまった。それによりもたらされた恵みもあれば悲しみもある。この社会からアルコールを消すことはもうできない。だったらせめてアルコールについての正しい知識を身につけよう。否定するにも肯定するにもまずはそこから始まると思う。
忘年会シーズンにあえてこの企画を行なってくれた江別市保健センターの心意気にまずは感謝を伝えたい。
矛盾していても生きていこう。不謹慎でも生きていこう。命を見失いそうになった時、ふと思い出してもらえる存在…ゲートキーパーとはそういうものではないだろうか。
(再生時間 6:22・6.1MB)
(文: 福場将太 写真提供:沢田ファミリー)