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コラム2016年11月「11月の作詞 心理学の卒業論文」
心理学の卒業論文
意外に思われるかもしれませんが 心理士は心なんて読めませんよ
もしもそんなことができるのなら あなたの心を覗いてみたい
ご存じない方もおられるでしょうが 心理士は心を操れません
もしもそんな力があるのなら 自分を心変わりさせたい
二人の日々をテーマに 卒業論文を書いても
ちっとも進まなくて
インクの染みを見つめても リンゴのなる木を描いても
あなたしか浮かばないんだもの
だからこそ私は心理士のまま
お恥ずかしい話ですがとても私 綺麗な心などではありませんよ
むしろどんな醜い物語も 生み出してしまう自分が嫌い
全く自慢ではありませんが 心理士は嘘だけは見抜けます
むしろそんな力はいらないから 騙され続けられる力がほしい
思い出の飾り方も 悲しみのしまい方も
ちっともわからなくて
散らかった机の上 重たい本を開いても
どこにも載ってないんだもの
だからこそ私は心理士でいる
愛しさは条件反射 幸せは補充効果
お似合いの二人はだまし絵
そんなことばかり考えて 進まない卒業論文
結論が出て来ないんだもの
だからこそ私は心理士が好き
(written by 福場将太)