コラム

コラム2016年10月「認知症サポーター養成講座」

 野幌公民館で10月1日に「認知症サポーター養成講座」の講師を務めました。「認知症サポーター」は、認知症に関する知識を身につけて、地域の認知症の人をサポートします。資格取得のためには認知症サポーター養成講座を受講する必要があります。2時間という時間でテキストの説明を行いますが、私は、日々、認知症の方と関わる中で感じたことを伝えることを大切にしています。

 最近こんなことがありました。 長年勤めた病棟から異動となるため、患者さんに今日が最後の勤務になることを伝えました。すると3名の患者さんが涙を流して次のように言ってくれました。
Aさんは「お財布持ってきてちょうだい。その中から1000円持っていきなさい」
Bさんは「異動しないと偉くなれないからね。私たちの事は忘れて頑張って」
Cさんは「喜んで行きなさいよ」と心配し、励ましてくれました。

 「認知症になると何もわからなくなる」という誤解があります。しかし、センター長の宮本医師が言うように認知症になっても感情の世界は残されています。感情は豊かなままで、培われた経験と知恵を持つ高齢者に私はいつも励まされています。そんなことを認知症サポーター養成講座を通して少しずつ地域の方々に伝えていくことができたらなぁと思います。
次回も頑張ります!

(文・写真:澤田萌)

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