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コラム2015年10月「PING-PONG―卓球―〜熱戦はランチの後で〜」
西暦2015年、急速に普及したスマートフォンやタブレットは、人々に新たなる幸福をもたらした。
しかしそれは同時に、人々の運動不足への始まりでもあった。
家に居ながらにしてできる買い物、ゴロゴロしながらでも集められる多大な情報、文字情報だけでいつでも簡単に連絡が取りあえるSNS。
そのような運動不足に対する脅威を極秘裏に解消すべく結成された特殊チーム、それが、すずらん真夏の卓球大会。
(※注:文章中、誇大な表現や事実と異なる点が若干含まれますがご了承ください)
今大会は8チームがエントリー、全チームダブルスで、総当たり戦の勝率を競う。
11点マッチで2セット先取したチームの勝利である。
ちなみに勤務の関係上、出場できない選手の代わりに代理選手の参加が認められている。
以下、写真と共に大会の様子をご紹介する。
まずは審判団から。
N友大会本部長兼審判団長(右)とY平審判補佐兼当コラム筆者(左)。
運営を一手に取り仕切るN友大会本部長の手腕はもはや折り紙つき。
筆者はN友大会本部長の指示に従って動く犬のような存在である。
本J審判団特別お目付け役。
毎回大会運営に関わっていながら、どういうわけか写真に写り込んでいなかった忍びスキルの持ち主。
今回カメラ係が決死の思いで撮影した1枚である。
続いて、参加チームの紹介と活躍の様子を写真と共にご紹介する。
チーム名:医事課ピアノ主任O崎あきよですわよん♡
チームからの一言:「医事課第三の天然素材O崎あきよを存分にお楽しみください!サプライズあり?」
このチームの最大の特徴は、個人名をぶっ込んだチーム名にもかかわらず、それを上回る『謎仮面』の存在である。
正体は当然謎。なぜそのスタンスで行こうと思ったのかも謎。リハビリテーション課が作った、本人の顔写真をそのまま縦に引き伸ばして使った仮面を即採用したのも謎である。
名札にも『謎仮面』と書いてあるところに、今回の設定に対する愛を感じる。
そしてさらに謎仮面は進化する。
大会中盤から謎マントを装着。打球点を見えにくくするほか、相手の動揺も誘う。偽物のラケットや、何故かスリッパまでマントに装備されている、リハビリテーション課渾身の作品である。
ただ、このマントの最大の弱点は暑さであった。
卓球大会が行われたのは真夏の8月。普通にプレーするだけでも汗が噴き出る状況の中で、この装備はまさに諸刃の剣と言えた。
今回の装備が功を奏したのかさえも謎であるが、今大会、終始奇策を武器に最後まで戦い抜いたチームであった。
チーム名:"気合いだ"チーム
チームからの一言:「おばさんパワー炸裂です!!優勝は我らの手に!(カメハメハー)」
F崎看護副部長とO島認知症デイケア準備室主任がダブルスを組む、エネルギッシュなチームである。
プレースタイルとしては、堅実なラリーでつなぎつつ、チャンスが来れば強打を打ち込むという正統派。ミスが少ないため、他のチームはかなりの苦戦を強いられることとなった。
また、プレースタイルだけではない何らかの力によって、他のチームはなかなか自分たちの力を発揮することができない。
まぁ、そのような特殊能力は抜きにしても、これまでに得た知識と経験が光る、いぶし銀的なチームであった。
チーム名:Eガールズ
チームからの一言:「必勝」
チームからの一言を見ても、今大会への並々ならぬ気迫が窺える、5階病棟からのエントリーチームである。
業務の関係上やむなく、出場するたびに違うメンバーとダブルスを組まなければならないため、なかなかコンビネーションが難しかろうと思われるところを、逆にそれを多彩な戦術として利用した。
打つ人が違えば、当然打球の質も変わってくる。ボールの回転方向や回転の強さ、また打つ時の癖も相手チームには脅威となる。
チームが抱えるアドバンテージを上手く活かした、まさに団結力が光るチームであった。
チーム名:もとにぃとなっちゃん
チームからの一言:「3位入賞めざします!」
Y田院長の強烈なスマッシュと、I川課長の堅実な守備が特徴の、3大会連続出場中の熟練チーム。
特に安D院長の強打は、出場チーム中ナンバー1の打球速度を誇り、厳しいコースに決まると相手チームはボールに触れることすら難しい。
しかし、Y田院長のスマッシュばかりに目を奪われがちであるが、その強打を可能にするのが、ペアを組む今G課長の存在である。
球速こそそこまでのインパクトはないものの、その巧みなコースをついた返球によって、相手チームは安D院長が強打できる返球をせざるを得なくなるのである。
残念ながら3位入賞は叶わなかったが、役割分担の明確さもあって、見ていて非常に清々しいチームであった。
チーム名:リベンジ!2Fアザレア病棟Aチーム〜大小コンビ〜
チームからの一言:「前回の悔しさを胸に3勝は必ずしてやる!!」
このチームも勤務の関係上なかなか固定したメンバーでの出場が難しい中、2階病棟からのエントリー。
K藤課長は看護部のユニフォームも脱ぎ捨て、鋭い眼光で強烈な打球を放つ本格派。またO場Nsも卓球経験者であることを隠しても隠し切れない実力の持ち主である。
急な入院等が重なることもある2階病棟業務の中、わずかな時間を見つけて戦う選手たちの姿は、それでも終始はつらつとしていた。
惜しくも3位には届かない4位という結果ながら、充分前回の悔しさを晴らす結果となったのではないだろうか。
チーム名:卓球少年団
チームからの一言:「私のスーパー稲妻ショットが炸裂するわよ!!」
優勝候補の一角と言われた、デイケア課澤G主任とW邊さんの両PSWチーム。
さらっと流されそうになるファンタスティックなチーム名と、絶対本人は言わないだろうなと思われる、チームからの一言が気になる実力派である。
どちらも発言は遠慮がちなのに、球速もコースも少しずつ、でも確実に他チームを上回る恐ろしさを持つ。
極めて特徴的なのは、どちらの選手もミスが少ないのである。強烈な一打が頻繁に来るわけでもないのに、打っても打っても返球されてくるボールに、相手チームは根負けし、ミスを重ねる結果となる。
大会中、自分たちのプレースタイルを貫き通し、見事3位という結果を勝ち取った。
チーム名:大阪弁+函館弁チーム.\(^o^)/✡★
チームからの一言:「優勝は通過点!!!」
2階病棟からの2つめのエントリーチーム。
勤務の関係上致し方ないことではあるが、もはや審判団ですら誰が1チーム目で誰が2チーム目かもよくわからなくなってくる厚い選手層により、いつの間にか準優勝を収めていたトリッキーなチームである。
安定した結果を出すのが難しい中、それでも要所要所を締める戦いの積み重ねが、好結果につながった一因と考えられる。
審判団さえも惑わせる病棟のチーム力が、見事準優勝という結果を掴みとったと言えよう。
チーム名:チーム『ベルソムラ』(14日間限定)
チームからの一言:「つなぎ定期と定期はかぶりません!!」
チームからの一言に業務連絡的なコメントをぶち込んできた、今大会初出場ながら見事優勝を勝ち取った、薬剤部からのエントリーチーム。
W部さんの回転のかかった変則的な返球と、A井薬剤師の攻守ともに光る抜群の総合力が、他のチームを圧倒した。
何より、汗だくになるまで動き回る豊富な運動量と、今大会にかける並々ならぬ意気込みが、他のチームから一歩抜きんでる結果につながったものと考えられる。
試合終了後に首からタオルを下げて別の試合を見学するその姿は、もはやどこかの大会に出ているガチの選手のそれである。
あまりの強さゆえに、根G薬剤部長が「やりすぎではないか」とハラハラするほど、終始負けない卓球を展開したチーム「ベルソムラ」(14日間限定)。新星のように現れたこのチームに、今後も目が離せない結果となった。
ちなみに「ベルソムラ」とは睡眠薬の名称で、“美しい睡眠”という意味が込められているんだそうである。
おめでとう。チーム「ベルソムラ」(14日間限定)。
以上が、今回のすずらん真夏の卓球大会の結果である。
どのチームも多忙の中、貴重な昼休みの時間を利用して戦った。
ただ、忙しい中でも、こうして集まって全力でピンポン球を追いかけることができることに、当院の強さを感じる所である。
そしてより一層、職員同士の絆は深まっていくのである。
今大会に出場された選手のみなさん、そして本コラムに残念ながら登場しなかったものの、代理出場された多くのスタッフのみなさん、お疲れ様でした。
(文:審判補佐 写真:リハビリテーション課OT99号)