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デイケア活動日誌
2023年12月『やってみよう! アンガーマネジメントとアサーション』
患者さんが病院に通うのは回復を目指すためですが、回復とは病気の症状が良くなることだけではありません。病気の症状はあったとしても、学校に通えたり仕事に就けたり、一人暮らしができたり子育てができたり、そんなふうに社会生活の中での能力や役割が高まることを『社会的回復』と呼びます。
当クリニックで土曜日午後に行なっている『心学塾』は、病気や障害を持ちながらでも元気に働き続けることを目指す治療プログラムなので、まさにこの回復に主眼を置いているわけです。
お薬を飲むだけでは社会的回復にはつながりません。病状を完全に消し去ることが難しい心の医療では、社会的回復に役立つ治療法・訓練法が色々と開発されています。
…と、前回のコラムの冒頭をそのままコピペしておりますが、SSTとCBTに続き、また別の治療プログラムをやってみたのでその記録を残しておきます。
●アンガーマネジメント
アンガー、つまり怒りの感情を上手に調整しようという方法です。11月18日の心学塾でやってみました。短気は損気、怒りで失敗して悩んでいる人は外来でも多いです。まずはできるだけイライラしないためのリラックス法、そしてもし怒りが爆発してしまった時もなるべく人にぶつけない、勢いで行動しないための対処法を練習しました。
プログラム中、一生懸命考え過ぎてイライラしてきてしまったとあるメンバーさんは一度退席して外へ、そして新鮮な空気を深呼吸して戻ってきました。これだって見事なアンガーマネジメントです。
●アサーショントレーニング
コミュニケイションは自分勝手な言動をするとうまくいきませんが、相手に合わせて自分が我慢ばかりしていても苦しくなる、そこで相手も自分も大切にした一番良い立ち振る舞いを考えようという方法です。12月2日の心学塾でやってみました。いくつかの例題をみんなで考えましたが、もちろんコミュニケイションに100点満点の正解はない、それでもアイデアを出し合うことで上手にはなっていきます。
メンバーさんは職場で相手に気を遣い過ぎてストレスを溜め込んでしまう人がほとんどでした。その優しさになんだかほっこり、ついつい自分本位になりがちな僕たちスタッフにとっても非常に学びの多いプログラムとなりました。
それにしてもアンガーとかアサーションとか、どうしてわかりにくいカタカナのネーミングなのでしょう。最近は医療・福祉の話でもインクルーシブ、ユニバーサル、ダイバーシティがどうのこうのとカタカナばかりで、ユニバーサルなんて言われても僕はスタジオくらいしかわかりません。大抵英語をそのまま使っている時というのは日本人がちゃんと理解していない時なので、今回ご紹介した治療法にもちゃんと良い日本語が当てられたらよいなと思います。
そんなわけで心学塾ではお互いが生徒でお互いが教師、来年も学び合って本当の理解を深めていきましょう。
一年間お疲れ様でした!
(文:福場将太)