コラム

2019年8月「出張心学塾 神戸へオーバードライブ」

出張心学塾 神戸へオーバードライブ出張心学塾 神戸へオーバードライブ

 先月末の土曜日、ご縁があって神戸で講演をする機会に恵まれた。演題は『出張心学塾 元気な心で働くテクニック』、就労を継続するために必要なメンタルケアについてお話させてもらった。

 講演の中でも触れたが、今回お話した内容の多くは当院で行なっている心学塾というミーティングプログラムから生まれたもの。つまり医学書から抜き出した知識ではなく、実際に就労を目指して奮闘している当事者とそれを応援している現場の支援者が生み出した知恵だ。その意味では医学的根拠や権威には乏しいかもしれないが、実用性と具体性はバッチリ。楽しみながら医学用語がほとんど登場しない講演をさせて頂いた。
 台風の影響も心配された中、会場に足を運んでくださったみなさん、講演会を企画・運営してくださったサンビレッジのみなさんには感謝でいっぱいである。

 講演の後で何人かの来場者のみなさんとお話ができた。日本中に頑張っている人たちがいることは頭ではわかっているがやっぱり直接触れ合うと強く実感する。美唄だけではない、北海道だけではない。それぞれの課題がありそれぞれの現実があるけれど、就労を目指す仲間は日本中にたくさんたくさんいるのだ。

 帰りの飛行機では前からどうしてもやってみたかったことをした。それは上空でGARNET CROWの『Overdrive』という曲を聴くこと。「上空舞う」や「どこまでも青い世界」というフレーズと爽やかなサウンドは予想どおり空の旅にぴったりはまっていた。そしてこの広大な空の下に、誰かの役に立ちたいと願いもがいている人たちがたくさんいることを感じた。もちろん僕もその一人。

 心学塾は心を学ぶプログラム。美唄の片隅のクリニックから生まれた可愛い知恵たち。今回神戸へ空輸したそれらがいつか少しでも誰かの役に立ってくれたら嬉しい。そしてアンケートで頂いたあたたかい講演の感想、これを読み返すだけで僕の心はまた元気をチャージするのである。

(文:福場将太 写真提供:神戸サンビレッジ)

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