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コラム
2008年4月『僕らの居場所』
4月、新年度の幕開けである。
進級する人、進学する人、新社会人になる人、新しい職場に移る人、戦いを続ける人、休養を続ける人、いいスタートを切った人、出足からつまづいた人、足踏みしている人……色々な人がいるだろう。新しい環境に戸惑ったり、変わらない環境に焦ったり……それぞれの日々があるのだろう。
でもまあなんといっても4月は出逢いの季節である。3月にはいくつかの別れがあってちょっと淋しくもなったりしたけれど、その分これからの出逢いを楽しみにしたい。
というわけで今回は、新しい季節にちょいと浮かれて空想してみよう。
これからまた誰かと出逢って、ほらまた少し仲良くなって……ほらまた少し愛しくなって……そんなことが嬉しかったり。
これからまた人が増えて、ほらまた少しぶつかり合って……ほらまた少し息苦しくなって……そんなことが悲しかったり。
ちょっとずつせわしくなって、ちょっとずつ楽しくなって……。
ふと考えると、出逢いとはなんて不思議なんだろう。たまたまそこに居合わせただけ、巡り会わせが行き着いただけといえばそれまでだけど、そこに運命なんて言葉を飾りたくなる時がある。
もちろんここで出逢えた人達がみんないつまでもここにいるわけではない。やがてはみんなそれぞれの人生を生きていく。どんな経緯でここに来たかはみんなそれぞれ、どんな理由でここを旅立って行くのかもみんなそれぞれ。でも、その時まではここが僕らの居場所。
何もかも思い通りの理想郷ではないけれど、それでもここが僕らの居場所。
周囲を見渡せば、いくつもの問題が転がっている。テレビをつければ、いくつもの悲報が飛び込んでくる。でも、今自分の生きている場所や時代を愛せないのは悲しいことだ。
ここが僕らの居場所。今が僕らの時代。
だって他の場所にいる人たちに、「あそこにいる奴らは終わってる」なんて思われちゃうのはなんか悔しいじゃない。22世紀の後輩たちに、「21世紀は終わってたらしいぜ」なんて言われちゃうのはやっぱ悔しいじゃない。
だからあきらめず、僕らの居場所を、僕らの時代を、良いものにしていこうよ。笑って生きてやろうよ。
心の闇は消えないけれど、絶対それにのまれないように。悲しい噂は尽きないけれど、それでも明日を信じられるように。
大丈夫、希望を否定するどんな証拠を並べられたって、裏付けのない想いがいつも僕らにはあふれている。
ここが僕らの居場所だ。
う〜ん、なんて無責任なコラム。