旧美唄病院コラム

2011年3月『さよならがいっぱい』

 早いもので今年度ももう終わりです。医療法人倫生会にとって、今年はどんな1年だったんでしょう。病院の方向性が定まり、何だかとてもせわしなく慌しい1年だったような気がします。その中でたくさんの出会いがありました。療養病棟が始まったり、北広島メンタルクリニックが仲間になったりと医療としての新しい展開もたくさんありました。でも、私個人の感想としては、さよならもいっぱいあった今年度だったように思います。

 9月、16年以上の長きにわたりご勤務頂いたベテランドクターがご退職されました。いてくださるのがすっかり当たり前になってしまっていたので、今先生がこの病院にいらっしゃらないというのはとても不思議な気分です。私からすれば50年以上も大先輩、先生が引き際をお決めになられた最後のお言葉、今でも忘れておりません。

 10月、2人のナースがご退職されました。旧態依然としていたこの病院の医療を位置から見直し、前進させることに心血を注がれたお2人です。どんな小さな仕事にも手を抜かず、いつも気品とユーモアを忘れないその姿は、看護という仕事に信念をかけた誇り高き女性の鏡でした。また一緒に呑みにいきましょう。

 そしてこの3月、医師不足となった美唄メンタルクリニックを助けるため遠方より来てくださったドクターがお帰りになりました。私にとっては初めてであった心療内科医、大先輩でありながらいつも優しくご指導して下さいました。先生、本当にありがとうございました、もといた場所に戻られても、ご活躍下さい。

 さよならした大恩人の方々、みなさんがいなければ今の医療法人倫生会はありませんでした。みなさんがつないでくださった情熱の火を、希望の光を、絶やさないように私たちが頑張っていかなければいけませんね。どこかで見守っていてくだされば嬉しいです。

 そして・・・ある意味で一番の功労者、美唄病院の建物に別れを告げることが決まったのも今年度でした。40年におよび患者さんと職員たちを守ってくれたこの建物ももうじき眠りにつこうとしています。さて来年度、最後の一年もよろしくね、美唄病院!

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