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デイケア活動日誌
2022年05月『心学塾に驚きの参加者』
心学塾は就労を目指すメンバーが参加するミーティングプログラム。ここでは全員が生徒で全員が教師、お互いがお互いから学び合う。それはスタッフも例外ではなく、ここでは支援者も自分の苦手や弱点を告白してよい。そんな心学塾の1コマをご紹介しよう。
5月7日(土)、今回のテーマは『仕事をやめたくなった時にどうするか』。就労で大切なことは元気に継続すること。合わない職場でボロボロになってまで働くことはないが、一方で継続してこそ軌道に乗る場合が多いのも事実。やめたくなった時にそこを乗り越えるためのテクニックをみんなで考察した。約1時間の流れはこんな感じだ。
1.自己紹介
まずは名前と今日のコンディションを順番に言い、そして一つお題に対するコメントもしてもらう。今回のお題は『桜にまつわる思い出』。「名所まで桜を見に行った」と話す人もいれば、「通勤途中に桜を見かけた」と話す人もいた。
2.おさらい
前々回の心学塾でみんなに挙げてもらった、働くことで生じるメリットとデメリットをテキストでおさらい。そして自分にとっては特にどのメリットが重要かを発言してもらう。「収入」を挙げる人が多かったが、「居場所や仲間ができる」、「技術の習得」、「うまくいった時の達成感」を挙げる人もいた。
3.退職の理由
ここから今回の本題。人はどういう時に仕事をやめたくなるのか、どんな理由でやめようと思うのかをみんなに考えてもらい、ホワイトボードに列挙していく。色々な意見が出たが、「就職前に思っていたのと実際が違った時」、「これまで優しかった上司が厳しくなった時」など、落差や変化を挙げる人が多かった印象。
4.就労継続の秘訣
続いて、ではそのようにやめたくなった時にやめずにすむためには何が必要かを挙げてもらう。これも色々な意見が出たが、「相談する」を挙げた人が一番多かった。
5.事例検討
架空の事例、部署異動でうつ病が再燃したAさんについてどうするのがよいかをそれぞれ考えて発表してもらった。「病名を職場にカミングアウトするべき」という意見、「いきなり退職ではなくまず休んでじっくり考えるべき」という意見が多かった。過労自殺のリスクを挙げる人もいた。また転職についても、「1から仕事を憶えて人間関係を作れるかが不安」という人もいれば「新しい出会いにワクワクする」という人もいた。心学塾での発言は誰かが正解で誰かが間違いということはなく、お互いの意見からお互いが学び合うことが大切である。
6.感想
最後は一人一言ずつ本日の感想を言っておしまい。お疲れ様でした!
今回はこんな感じであった。メンバーもスタッフもそれぞれの苦手や弱点、それぞれの課題や目標を持っている。みんな違うんだけど就労について学び合う仲間という点は同じ。
そして普段は医師とPSWの二名のスタッフでやっている心学塾だが、今回はなんと院長も参加。一緒に車座に入ってご自身の経験や就労に対する思いを語ってくださった。少し緊張もしたかもしれないが、メンバーにとっては新鮮な刺激を受け、そして院長だって一人の人間なんだということに親しみを感じる機会になったのではないだろうか。
今はコロナ情勢でなかなか外部からゲストを呼ぶのが難しいが、いずれまたそんな心学塾も復活させたいと思う。みんないつも本当にありがとう。
(文:福場将太)