コラム

コラム2025年5月「近付くな!」

 今日は仕事が定刻で終わったから、帰宅して色々趣味をするぞ!
 そう勇んで退勤しても、実際には趣味どころか家事もせずに終わってしまうことが多々ある。少しだけ休憩…とベッドに横になったが最後、そこからゴロゴロ何もしないぐうたらモードに陥る。仕事の原稿も趣味の小説も一行だって進みやしない。

 一方、職場の昼休憩だったり、朝や夜の時間外だったりにこれらをするとすこぶるはかどる。実際に今このコラムも朝礼までの空き時間に書いている。家では何時間かかってもやらない作業が、職場では一瞬で動けてしまう。いったいどうしてだろう。

 限られた時間だから集中できる、というのもあるだろうが、やはり一番は環境の力だと思う。職場のデスクに座り、ちゃんとワイシャツとベストに身を包んでいるというシチュエイションが、作業効率をめっぽう高めるのに違いない。一方、家ではラフな服装でいつでもベッドに寝転がれる環境。この違いはあまりにも大きい。

 みなさんの中にも、学生時代にわざわざ図書館や予備校の自習室へ出向いて勉強したという方がおられるだろう。人間は環境の生き物といわれるが、それは育った環境によって人格が形成されるという長期的なことだけではなく、今この瞬間においても環境次第で発揮できる能力が変わるということなのだ。

 そんなこんなで、何かを集中してこなしたい時には職場の環境は有り難い。とはいえ長時間職場に居座って仕事外の活動をするわけにもいかない。だから帰宅した後でも能率を落とさないために、今夜から心に誓ってみよう。
 …寝る時までベッドに近付くな!

 そんなこんなでそろそろ朝礼。夜の趣味の充実を楽しみにしつつ、まずは仕事を頑張ろう。

(文:福場将太)

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