コラム

2017年4月「それぞれの春」

 今年は雪が少なかったこともあって美唄には少し早く春が来たような気がします。精神疾患を抱える方々はこの時期に調子を崩しやすいとよく言いますが、その原因の一つはやはり春は変化を感じる季節だからでしょう。特に北海道では雪がなくなることで景色は大きく変わり、嫌でも時の移ろいを実感させられてしまいます。  でもそれは悪いことばかりではありません。焦りや不安と共に春は期待や勇気も膨らむ季節。一歩を踏み出し自分自身に変化を起こすのに最適な季節でもあるのです。

 私たち支援者は絶えず複数の患者さんに関わっていますが、特に春はみんなそれぞれの動きがあり、大変ながら嬉しさも多く感じます。そういえば今日はあの人の引越しだな、そういえば今日はあの人が部署異動する日だな、そういえば今日はあの人が面接を受ける日だな、そういえば今日はあの子が新しい学校に入学する日だな、そういえば今日はあの人のデイケア継続一周年だな…。  同じ春の日差しの中、同時進行でそれぞれの一歩を踏み出しているんだなあとつい先日移動中の車に揺られながらふと思った私でした。

 もちろんこの季節は職員だって変化します。引退する人、転職する人、入職する人…美唄すずらんクリニックにも変化は起きています。新しい仲間、そして新しい課長さんも登場しました。私自身にもまた新たな試練が課されていると感じています。

 できることから始めてもいい。失敗を覚悟で挑戦をしてみてもいい。それぞれの春、みんな頑張れ!

(文:福場将太 写真:カヤコレ)

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