デイケア活動日誌

2023年05月『帰ってきた? ギターで合唱』

 新型コロナウイルスの感染症法分類が変わるに当たり、デイケアプログラムについても再考がなされた。どうしてもこの三年間は閉鎖的・保守的にせざるを得なかったが、また少しずつでも開放的・挑戦的な内容をに戻していきたい。そこで試みられたのが、コロナ禍よりもずっと前に行なっていた『ギターで合唱』、フォークギターの伴奏に合わせてみんなで歌うという音楽プログラムの復活である。

 僕自身いったいいつ頃やっていたのか記憶が曖昧。そこでこのデイケア活動日誌を振り返ると、最初にやったのが2011年10月、そこから2016年12月までの約五年間このプログラムは行なわれていた。そこからもう六年半とは…メンバーさんもスタッフも、そして自分自身も歳をとるわけだ。

 ひとまずやってみようというわけで5月26日(金)の午後に開催した。一番悩んだのは選曲で、20代から70代までいるメンバーさんみんなが歌える曲となるとかなり難しい。そこでかつてもよくラインナップしていた『翼をください』と『涙そうそう』で行くことにした。
 まずはみんなで歌詞を朗読、何を歌っている曲なのかを考えた。そして1番だけ歌ってみて練習、案外いけそうだったので次はフルコーラス。そんな感じで2曲をくり返し丁寧に歌ってみた。

 正直僕自身もまだ大きな声を出すことにためらいはあったので探り探りの発声、メンバーさんの力加減もそれぞれだったが、まずはそれでよし。とにもかくにもまたこうやってみんなで歌える時代が戻ってきたことが嬉しい。かつてもそうだったが、ドクターは普段診察室に居てデイケアルームでみんなと触れ合う機会が少ないから、その意味でもこのプログラムは大変有難いものである。
 今後どれくらいの頻度でやれるのか、それはコロナ情勢を見ながらになるが、人間は歌う動物、この人間らしい営みを時々はみんなで味わいたいと思う。

(文:福場将太)

前のページ | 一覧に戻る | 次のページ