コラム

2021年01月「雪の民」

 今更ながら北海道には雪が降る。降雪量は毎年変動するが、今回の冬は特に岩見沢が記録的な大雪で、JRも頻繁にダイヤを乱している。岩見沢から通っている患者さんや職員は本当に大変そうだ。

 とはいえ美唄もけして他人事ではない。大雪に加え吹雪いてきたりすると、さすがにデイケアを途中で切り上げなくてはならない日が先月も何度かあった。ナイトケアまで申し込んでくださっていた患者さんには申しわけないが、患者さんも職員も帰宅できなくなっては大変である。実際に美唄の山の中に病院があった時代には、帰れなくなってみんなで夜を明かしたこともあったそうだ。デイナイトケアならぬミッドナイトケア、あるいはオールナイトケアになってしまったわけだ。

 そんな事情で1月4日の始業日には、除雪の援軍として普段は江別勤務の部長さんも来てくれた。本州出身の彼は、一緒に除雪をやってみて、北国の人たちのたくましさを実感したという。僕もこの地に初めて住んだ時にそう感じたのを思い出す。

 しょうがないねと文句を交わし、お疲れ様ですと笑顔を交わし、雪の民はこれからも、この白い贈り物を憎みながら、愛しながら暮らしていくのだろう。

(文:福場将太)

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