コラム

2014年07月★スペシャルコラム
「刑事カイカン 夏の日の少年 (前編)」

*このコラムはフィクションです。

 私の名前はムーン、警視庁捜査一課の女刑事である。もちろんこんなふざけた名前の日本人がいるはずもなく、ムーンというのは職場上のニックネームのようなものだ。これは一般の方はあまりご存じないのだが、捜査一課はミットと呼ばれるいくつかのチームに分かれており、私の所属するミットではお互いをニックネームで呼び合うのが古くからの慣例らしい。ちなみに私の上司は、カイカンなるさらに奇異なニックネームで呼ばれている。

 8月12日、午後1時過ぎ。今年の夏も暑い。警視庁のいつもの部屋、いつもの窓から臨む東京の街も陽炎の中に揺らめいている。私はアイスティーとは名ばかりのぬるい紅茶のペットボトルに口をつけ、もう一度そのノートに目を走らせる。
 …バタン。
「いやあ、暑い暑い」
 勢い欲ドアが開き、低い声が入ってきた。そう、私の上司…カイカン警部だ。
「お疲れ様です。警部、どこまでお昼ご飯に行ってたんですか?」
「やあムーン、いつものカレー屋だよ。暑い夏には劇辛カレーに限るからね。でもその道中が暑いのなんのって」
 そう言いながら警部は部屋の隅のソファに腰を下ろす。その風貌はいつも通りのボロボロのコートにハット、正直真夏にこの格好で暑いなんて口にする資格はない。だがそんなことを今更指摘する気は起こらない。このミットに配属されてもう随分経つ。この人の意味不明な言動をいちいちツッコんでいたらこっちの身がもたない。
「エアコンの温度、もう少し下げますか?」
 一応そう言った私に、警部は「大丈夫」と返した。
「それよりさっきから何を読んでるんだい?」
「あ、このノートですか。実はですね…」
 話題がちょうどよい方向に転換した。私は手にしたノートを示しながらこれがこの部屋に流れ着いたいきさつを説明する。
 ノートはB5サイズ。小学生が使う、動物の写真が表紙に印刷された学習ノートだ。持ち主はこれを日記帳として使っていたようで、表紙の余白に黒マジックで大きく『日記⑧』と記されている。しかし残念ながらその持ち主の名前はない。
 このノートはちょうど一ヶ月前、つまり7月の12日に羽田空港の待合室で発見された。ソファと壁の間に落ちていたのだ。おそらくそこに座った時に置き忘れたものなのだろう、待合室の模様替えでソファを動かしたことでたまたま出てきたのだ。遺失物…つまり忘れ物あるいは落とし物として空港事務局に保管されたのだが、特に持ち主からの問い合わせも入らず、結局保管期限の1ヶ月を経過し昨日警視庁の遺失物保管室に送られてきた。まあ空港に限らず電車やバスの社内、駅における遺失物も全て同様の流れで送られてくるからこれ自体は珍しいことではないのだが。このノートにとって保管室が終着駅とならず、私の手元へと路線変更されたのにはある老刑事の気まぐれが大きく作用している。
「フフフ…ビンさんらしいね」
 そこで警部は笑った。
 そう、このノートに注目したのは私や警部にとっての上司、このミットのリーダーのビン警視だ。もちろんビンというのもニックネーム。私たちは親しみを込めてビンさんと呼んでいる。
 ビンさんはあまり現場に出ない。ミットに捜査の割り振りがきても、それを警部や私に指示するのみ。いつもこの部屋の自分のデスクで、私たちの提出した報告書を読んだり、古い事件の資料に目を通したりしている。また部屋にいない時は未解決事件の関係者を訪ねたり、証拠品や遺失物の保管室を回ったりしているらしい。このノートもそんな謎の散歩の中ビンさんの目に留まったわけだ。
「それで昨日、ビンさんがこのノートを保管室から預かってきちゃったんですよ。持ち主を捜してみるってことで」
 私がそう言うと、警部は独特のイントネーションで「ナルホド」と頷く。警部は昨日オフだったからこのことを知らなくても無理はない。
「本当は午前中にお伝えできたらよかったんですが、私がバタバタしていたもので…すいません」
「いやいやそれは構わないよ。でも、持ち主の現れない落とし物なんて他にもたくさんあるだろうに、ビンさんはどうしてそのノートにこだわったのかな?」
「それはですね…」
 私はそこでノートの最後のページを開いて見せる。そこにあるのは1枚の写真。写っているのは1人の女性の腰から上の姿。緑の草原と青い空を背景に、少しはにかみながら幸せそうな微笑みを浮かべている。年齢は…20歳前後といったところか。半袖のTシャツとジーンズ姿から見て、季節は春から夏。服装やメイクを考えてもかしこまった写真ではない。友達や恋人、あるいは家族が撮影した日常のスナップだろう。
 何てことない、どこにでもある写真だ。世間に溢れかえった携帯電話の中には、こんなものいくらでも入っているだろう。しかし…ビンさんはこの写真に引かれた。その気持ちは私にも少しわかる。気軽にいくらでも撮影できる時代だからこそ、あえて印刷され、大切にノートに挟まれたこの1枚には…何か特別な想いが込められている気がしてしまう。
「ナルホド…」
 警部はもう一度そう頷いた。
「ビンさんの話では、この写真はおそらくデジカメではなくフィルムで撮影されたものだろうってことです。デジカメにしては輪郭が柔らかすぎるっておっしゃってました。この女性のファッションから見ても…少し昔の写真かもしれませんね」
 私がそう言い終わらないうちに警部はソファから立ち上がり、ノートからその写真を奪った。
「確かに、不思議なしゃしんだね。どこにでもありそうなのに…とても大切な物みたい」
 警部は黙って被写体の彼女を見つめた。長い前髪に隠されていない左目から、じっと視線を流し込んでいる。彼女が誰に向かって、どんな喜びで微笑んでいるのか…さすがの警部でも、写真の中の世界には届かない。やがてノートにそれを戻しながら警部が言った。
「それで、何か持ち主の手がかりはないの?」
「ええ…ノートには名前など書かれていませんし」
「日記帳みたいだけど、その内容から何かわからないのかい?」
「それがですね…」
 私は説明を再開した。
 ノートに書かれている日記は実はたったの一日分。表紙の『日記⑧』から考えても、7冊目を書き終えて、ちょうど8冊目が始まったところだったのだろう。文字の字体や文章力、使用されている漢字などを考えると持ち主はおそらく小学校の3から4年生。一人称が『僕』なので男の子だ。しかし…これだけの情報で、少年を特定するのは雲を掴むよりも難しい話だ。
 私がそう伝えると警部は再び壁際に戻り、ソファに沈み込んだ。
「う〜ん…発見されたのは空港の待合室、となれば日本中の人が行き交ってる場所だもんなあ。それにいつ置き忘れられたのかもわからない」
「警部、それについては少しだけ手がかりがあるんです、この一日分の日記に」
 私の言葉に、警部は少し身を起こす。
「…というと?」
「この日記、字があまり綺麗じゃないからちょっと読み難いんですが、書かれている日付は今年の7月9日なんです。つまりノートが発見された3日前です。中には地名も出てきます」
 警部はそこで少し笑った。
「なんだ、手がかりあるんじゃない」
「そうなんですが…そうとも言えなくて」
 私の曖昧な返事に警部は怪訝な顔をする。…といっても、長い前髪のせいでその表情ははっきりしないが。
「まあとりあえずその日記を読んで聞かせてよ」
 そう言う上司に私は今更の質問をする。
「あの警部、よろしいんですか?お仕事は…。もうじきお昼休みも終わりますが」
「これも仕事のうちだよ。今日は特に捜査の割り振りもきてないしね。それにこれはビンさんが持ってきた話なんだから、部下としては従わないと」
 まあ予想通りの返答だった。
「それにしてもムーン、張本人のビンさんはどこにいるの?今朝から見かけてないけど」
「それもこの日記を読めばわかりますよ。では…朗読しますね。日付は先ほども申したように今年の7月9日です。え〜、今日はお父さんと買い物に行きました…」
 字の汚さゆえ時々詰まりながらではあったが、私は何度も読み返したそれを警部に伝えた。読んでいる途中、少し懐かしいような感覚があった。
 何だろう、この感じ?さっき1人で読んでた時はなにも思わなかったのに…。

***

 今日はお父さんと買い物に行きました。明日からの旅行に持っていくカバンを買ってもらいました。とてもうれしかったです。電車で帰る途中、僕はずっとカバンを抱っこしてました。
 北雲駅に到着します。ホームにおりたらお父さんが今日はあったかいねと言いました。僕が明日電車はおくれないかなあと言ったら、お父さんはだいじょうぶと答えました。
 二人でちゅうしゃ場まで歩きます。うちの赤い車はかくれていたけど僕が見つけました。僕が乗ったらお父さんはエアコンをつけてくれました。その後、前の窓や横の窓、後ろの窓をガンガンとかガリガリたたかれてちょっとこわかった。僕のほっぺに一すじのしずくが流れます。

 家に帰る前、今日もお父さんはアキナーマートによってくれるかな。アイスクリームを買ってくれるかな。アキナーマートに着くまで20分くらいあるから、今のうちに書こうと思って日記を書いてます。
 駅前の道路には車がたくさん走ってます。みんな急いでいるけど、一車線だからおいこせないね。
 明日はひこうきとぶかなあ。一人で乗るのは初めてだからちょっとドキドキする。でも空港まではお父さんがいっしょだし、東京にはおばさんが待っててくれるから安心。気をつけて行ってくるね、お母さん。朝ねぼうしないように今日は早くねなくちゃね。

***

 私が読み終わるまで警部はずっと黙って聞いていた。右手の人差し指を立て、長い前髪をクルクルそこに絡ませる癖も相変わらずだ。
「…以上です」
 私がそう言ってノートを閉じると、警部は指の動きを止めてまた「ナルホド…」と呟いた。
「ねえムーン、日記に出てくる北雲駅ってのは?」
 当然の質問だった。すでにビンさんから依頼されその所在は調べてある。その名前に一致する駅は1つだけあった。北海道、札幌と旭川の中間からやや札幌寄りの内陸に位置するローカル駅だ。
「北海道…」
 警部はそう言い、少し考えてから言葉を続ける。
「となれば日記の主人公の少年は北雲駅周辺に住んでるんだろうね。しかも明日飛行機で1人で東京の叔母さんの所に遊びに行くと書いてある。となればこの日記が書かれた7月9日の翌日の10日に少年は飛行機に乗ったはずだ」
 警部の語調がテンポアップしてくる。これはそのまま頭脳の回転速度を示しているに違いない。
「明日朝寝坊しないように、と書いてあるから飛行機は午前中の便だろう。しかも子供1人で乗るわけだから優先搭乗を利用した可能性が高い。札幌-新千歳間は国内でも最も便数が多い区間だけど、7月10日はまだ夏休みじゃないし、その日の午前に1人で優先搭乗した少年って条件で乗客名簿を調べれば…絞り込めるんじゃないかな?」
 優先搭乗とは妊婦や幼い子供、身体の不自由な方などが乗務員に付き添ってもらい一般乗客よりも先に搭乗するサービスだ。その情報は到着先の空港にも申し送りされるので、調べれば記録は残っている可能性が高い。確かに警部の推理は妥当だった。しかし…。
「すいません警部。実はその調査はすでにしたんです」
 昨日日記を読んだビンさんと私は、同様の推理を展開しすぐに航空会社に問い合わせた。しかし7月10日午後までの乗客名簿を調べても、少年1人が飛行機に乗ったという記録はどこにもなかったのだ。
 私の言葉を聞いた警部は「そう…」と残念そうに答える。
「でもおかしいよね。日記は羽田空港で発見されたんだから少年は確かに飛行機で来たはずだ。北雲駅の最寄空港は新千歳なんでしょ?」
「はい。念のため北海道の他の空港から羽田への便もチェックしてみましたが、少年の記録はありませんでした」
「う〜ん、おかしいなあ…」
「実は警部、おかしいのはそれだけじゃないんです」
 そこで私は一息ついて続けた。
「実は今日ビンさんは現地に行って調査してるんですが…」
「現地って羽田空港?」
 私は黙って首を振る。すると警部の口元が緩む。
「フフ、フフフ…じゃあビンさんは北海道の北雲駅に行ったの?」
 私が頷くと警部はさらに声を上げて笑う。
「ハハハ、それで朝から見かけなかったのか。まったくもう…自由人だなあ」
 まあ私からすればこの上司にしてこの部下あり、警部だって人のことは言えない。ひとしきり笑った後、警部が改めて尋ねた。
「それで、ビンさんから何か連絡あったの?」
「はい。実はこの写真のコピーを持って駅周辺の交番とかに当たったそうなんですが、誰も知ってる人はいなかったんです」
 まあ女性の正体がわかっていないのでこの情報はさほど驚くところではない。問題なのはこの次だ。
「実はビンさんが実際に確認した北雲駅周辺の様子と、日記に書かれていることが全く一致しないんです」
 そこで私はまたノートに目を落とし、内容を引用しながら説明した。
「日記では駐車場の横の道路は一車線と書かれていますが、ビンさんが確認したらどう見ても2車線なんだそうです。もちろん最近拡張工事が行なわれたわけではありません」
 警部は黙り込み、また人差し指に前髪を絡める。私は続けた。
「それに日記に出てくるアキナーマートというのは、北海道にあるコンビニチェーンの名前だそうです。確かに駅の近くにも1つあるそうです。でも、とても近くなんです。ビンさんが実際に駐車場から歩いて5分もかからない距離だと言ってました。日記では20分かかると書いてますが、少年が車に乗ってからアキナーマートに着くまでそんなにかかるはずがないんです」
「その町には他にもアキナーマートがあるんじゃないの?」
 警部はそう尋ねたが、残念ながらこれも否定される。すでにビンさんによってその町のアキナーマートは駅前の一軒だけだと確認されているのだ。
 それを聞いた警部は黙ってしまう。言葉の続きがないのを待って、私は自分の疑問を口にしてみる。
「実はよくわからない記述があるんです。ここです、『前の窓や横の窓、後ろの窓をガンガンとかガリガリたたかれてちょっとこわかった』…これって一体何のことを言ってるんでしょうか?」
 警部は黙ったままだ。私は続けた。
「少年が車に乗った後、お父さんがエアコンをつけてますからお父さんも乗車したんでしょう。その後、前や横、後ろの窓を叩いているのは何者なんでしょうか?ガンガン、ガリガリなんて普通じゃないですよね?何らかの動物、あるいは…まさか車上荒らしとかでしょうか?」
 そこで警部は指の動きを止めて言った。
「私にも…わからない。そもそも車に乗ったんならさっさと出発するはずだ。走行中の車の窓を叩けるやつなんているかな?それとも少年が社内で日記を書いているわけだから、車はしばらく出発しなかったのか…でもだとしたらそれは何故?」
 それは自問自答だった。私も続けて言う。
「しかし少年は恐怖で涙を流してるわけですから、やっぱり窓を叩いたのは何か恐ろしいものではないでしょうか?」
 その言葉を最後に、室内には沈黙が訪れた。それと同時にしばし忘れかけていた暑さが戻ってくる。
 しかし…謎だ。日記にはしっかり北雲駅と書いてある。この地名は他にはない。それなのに駅周辺の地理が日記と一致していない。さらに明日東京に1人で飛行機で行くと書いてあるのに、乗客名簿に少年の姿はない。
 …これはどういうことだ?
 車の窓を叩く謎の存在のことも考え合わせると…まさかこの日記は全て嘘?いや、嘘と言うより夢の内容を書いた日記とかなのかもしれない。だとすれば日時も知名も全て当てにならなくなる。
「…何かわかりそうですか?」
 沈黙を払うため私はそう言った。しかし警部は何も答えない。再び人差し指をクルクル回しながら前髪を弄んでいる。もしかしたら…普段の事件捜査よりも難解な謎を持ち込んでしまったのかもしれない。
 私は改めて写真を見た。ねえ、あなたは一体誰?日記に出てくる少年のお母さん?でも小学生の子を持つ母親にしてはさすがに若過ぎるか。
 気付けば壁の時計は2時半を回っていた。ビンさんも6時の便で東京に戻ると言ってたから、夕方には北雲駅を発たなくてはいけない。もしこの少年がその町に住んでいるのなら、タイムリミットは近い。せめて名前がわかれば…交番や市役所で調べてもらえるのに。

「あー全然わからん!」
 警部がそう言って立ち上がった。そして「少し休憩」と言いながら冷蔵庫からお茶のペットボトルを取り出す。私もまたぬるいアイスティーに口をつけた。
 まあ…しょうがないか。これ以上捜しようがない。それに…大切な物なら持ち主から空港に問い合わせがあるはずだ。それがなかったということは…。
 そう思って私はまた写真を見た。そんなはずはないのだが、少し女性が悲しげな顔をしたような気がしてしまう。私は写真を挟んでノートを閉じた。
 警部を見ると、コートのポケットから好物のおしゃぶり昆布を取り出しそれを口にくわえている。そしてテレビの電源を入れた。
「もうじき3時のニュースだね」
 そう言いながらチャンネルを回すと、画面にアニメが映った。小学生の名探偵が事件を解決する人気アニメ…あまり詳しくない私でもそのキャラクターには見覚えがあった。そして予想通り、警部の指はそこでチャンネルを固定する。
「夏休特番でやってるんだね。これは劇場版の第2作だ」
 ワンシーン見ただけでわかってしまう警部…この人の趣味は計り知れない。私もしばらくその画面に目をやる。途中からなのでストーリーがよくわからないが、主人公の少年含め何人かが海中レストランのワインセラーを訪ねるシーンだった。
「この日記を書いた少年も今頃このアニメを見てるかもしれませんね」
 私が呟く。警部はおそらくもう何度も見ているはずのアニメに集中していて答えない。画面の中では、ヒロインの女の子がワインセラーが涼しいと発言し、ソムリエが暖かすぎるくらいだと返していた。その瞬間…。
「そうか!」
 警部が突然言った。これはまさか…。
「わかったよ、ムーン!」
 警部はテレビを切り、私に向き直る。そしてくわえていた昆布を飲み込んでから嬉しそうに言った。
「少年の日記の謎が解けたよ」
 えええ〜!だってさっきまで全然わからんって言ってたじゃん!
 …いや待て、突然閃いて事件を解決するその姿をこれまでも何度も見てきたじゃないか。今更驚くことはない…でも、悔しい。
 私は小さく深呼吸して尋ねた。
「警部、日記の謎が解けたということは…」
 警部はそこで右手の人差し指を立てる。
「いいかいムーン。どうして日記の内容と現実が全く噛み合わないのか…それは私たちが大きな勘違いをしているからなんだ。それに気付いた時、全てが繋がった」
 私は恐る恐る「それじゃあ少年の居場所も…」と尋ねる。警部は立てていた指をパチンと鳴らしてはっきりと答えた。
「うん、特定できるはずだ」

TO BE CONCLUDED.

(文:福場将太)

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