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すずらんささえあいの会活動日誌
※2019年4月、「アディクションカレッジ」は名称を「すずらんささえあいの会」に変更いたしました。
2020年12月『コロナ包囲網を破れ』
今年もアルコールや薬物に関する事件・事故が多数報道された。自粛下でも飲み屋やパチンコ店へ行こうとする人たちの姿が批判的に報道されたりもした。休校期間にインターネットやゲームへの依存を強めた子供たちも多いと聞く。
わからんでもない。飲まなきゃやっていられない情勢なのは事実だし、先の見えない不安を誰も晴らしてくれないなら、もうお酒で一時的にでも現実から目を逸らすしか心を守る方法がないのかもしれない。外出せずに退屈を紛らす手段といったら、どうしてもゲームになってしまうのかもしれない。
飲酒する人みんなが依存症になるわけではない。乱用と言われる不適切な飲み方を続けた場合に依存症は発病するのだが、私見としてはもう一つ発病の要因があるように感じる。
それはタイミング。心が充実している時は、アルコールやギャンブルに触れたとしてもやめられなくなることはない。逆に心に余裕がない時、あるいはぽっかり穴が空いている時にアルコールやギャンブルに触れると、まるでその穴にすっぽりはまり込むように抜け出せなくなってしまうのだ。
そう考えると、今は物理的にも心理的にも誰もが依存症になるリスクが高いと言える。頑張って飲酒や薬物を断ってきた人たちが、また再開してしまうリスクも高い。本来それを予防するのが自助グループや勉強会といったミーティングなのだが、それさえも感染リスクの三密になりかねない。
なんたる包囲網だ。これでは依存症になるしか道はないようではないか。しかしあきらめるわけにはいかない。突破口は必ずある。それを見つけるためには、やはり時々でもミーティングは開催せねばならない。語らいをないがしろにしてはならない。
中止した時期もあったが、現在は月一回の頻度で依存症勉強会を継続している。江別の本院の勉強会とオンラインでつなげようなんていう新たなアイデアも出ている。
思う存分不安を語ろう。策を練ろう。そしてこの難局をみんなで乗り切ろう。
一年間本当にお疲れ様!
(文:福場将太)