デイケア活動日誌

2021年02月『特別講師登場!』

 今月もこころの保健室というプログラムのお話を少々。
 今回は精神科で使用するお薬の副作用についてみんなで勉強を舌が、実はこのテーマを発案してくれたのは一人の患者さんであった。かつてたくさん薬を飲んでいた頃に随分副作用で苦しい思いを舌、その体験談をみんなに伝えたいと申し出てくれたのだ。

 そんなわけで今回はその患者さんを特別講師としてマイクを預けた。デイケアのメンバーが見守る中での発表はかなり緊張があったと思うが、その患者さんはしっかり語ってくれた。発表後はメンバーから意見や質問を募集すると、なんと普段ドクターがやっている勉強会の時よりもたくさん手が挙がるではないか。自分も同じような経験をした、薬をやめて楽になったことがある、安定剤の注射は恐ろしい…などなど、とても実り多い語らいになっていた。

 確かにドクターは薬の専門家かもしれないが、真の専門家は実際に薬を飲んでいる患者さんだ。僕も今回多くのことを学ばせていただいた。そして普段、きっと患者さんたちは薬や副作用について、ドクターに気を遣って言わずにいることも多いのではないかと心配にもなった。
 もちろん希望どおりに何でも処方するわけではない。かといって一方的にこちらが押し付けるわけでもない。かつては患者さんが薬について意見を言うと怒る精神科医もいたらしいが、今はそんな時代ではない。患者さんの意見も聞きながら、こちらの考えも伝えながら、一緒に処方を考えていくのが最善だ。納得してから飲んだ方がお薬は良い効果を発するのは間違いない。「全部先生にお任せします」という患者さんも中にはいるが、できれば自分が何の薬を何のために飲んでいるのかについて興味を持ってくれたら嬉しい。なんてったって治療の主人公は患者さんなのだから。

 そんなわけで来月のこころの保健室では、お薬以外の心の治療法について紹介してみようかと思う。こんなふうに連鎖的にテーマが思い付く時はとても楽しいものである。

(文:福場将太)

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