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コラム2025年2月「ニーズ」
2月18日(火)、市内の某企業に出向いて講演を行なった。主催は保健センター。この会社では職員を対象とした健康セミナーがもう何年も続けられてきているという。
素直にとてもよいことだと思う。健康診断などで体調は意識したとしても、心の調子というのはどうしても無頓着になりがちで、意識したとしても、心の状態を自分で評価するのは難しい。なのでまずは心の健康に興味を持ってもらうことが第一歩である。
講演のテーマは『睡眠と心の健康 本当の働き方改革とは』。まずは睡眠や不眠治療の基礎知識についてお話をし、後半は過労の問題、そこからつながる過労死や過労自殺の問題についてもお伝えした。保健師さんたちのあたたかい促しもあり、講演の後のグループワークでは、職員のみなさんがユーモアも交えて楽しく話し合われているのが印象的だった。
精神科の医療はそもそも必要なのかとよく思う。この医療があるせいで人間にレッテルを貼り、患者に仕立て上げ、治療を押し付けてしまっているのではないか、精神科医なんていなかった時代の方が人々は持ちつ持たれつやっていたのではないか、と。
ただ今回のように、心の健康に関する知識やアドバイスを提供する、考えてもらうきっかけを作るという役割を担うのは悪くない。人が生きると書いて人生。人生の専門家は医者ではなく、その人自身なのだから。
理想の働き方改革はまだ遠いが、一年後も十年後も元気に仕事を続けていられる、そんな心の在り方をみんなで模索していこう。
(文:福場将太)