アディクションカレッジ活動日誌

2018年07月『経験を語る ~断酒会の方々をお招きして~』

 平成30年7月23日(月)のアディクションカレッジはいつもと一味違う内容となった。普段はメンバーさんとスタッフで机を囲んで依存症について勉強するのだが、今回は断酒会の方々に二名お越し頂き、その体験談を聞かせてもらった。
 断酒会は断酒を目指す人々が自ら運営する自助グループ組織。色々な街に存在しているが今回は遠く旭川から足をお運び頂いた。

 アルコール依存症克服の唯一の方法が断酒の継続。しかし自分がずっと頼ってきた物を断ち続けるというのは並大抵ではない。独力ではとても無理。そこで、通院・内服・家族会と並んで自助グループが断酒を支える柱として知られている。
 依存症回復は時に「まず足ができて、次に耳ができて、最後に口ができる」と形容されるが、これも自助グループ参加の姿から来ている。つまり、まずは断酒会に通えるようになり、次にそこで他の人の体験談を聞けるようになり、最後に自らも体験談を語れるようになる、ということだ。本日お越し頂いたお二人も、自らの体験を時に切実に、時にユーモアたっぷりに話してくれた。

 昨今は依存症に限らず他の精神疾患の回復においても「当事者が経験を語る」ことが効果的とされている。当事者研究などの集団療法においてもそうだし、当事者が講演を開催したり医療や福祉を学ぶ学生たちに講義したりする時代である。もちろん病気の一番の専門科は当事者だからというのもあるが、自分の経験を語ることで人はきっと過去を受け入れて乗り越えていけるのだ。それは何も精神疾患に限ってのことではない。経験を語ることは語り手と聞き手双方にとって多くの力をもたらすのである。

(文:福場将太)

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