アディクションカレッジ活動日誌

※2019年4月、「アディクションカレッジ」は名称を「すずらんささえあいの会」に変更いたしました。

2018年04月『カウント0』

 というわけで無事再始動したアディクションカレッジ。4月9日に行なわれたテーマは『依存症になりやすい心の状態』。ギャンブル依存症、アルコール依存症、恋愛依存症と三人の事例を通して、どうして彼らが依存症に至ってしまったのかをみんなで考察した。
 依存症とは「ちょうどよく頼ることができなくなった病気」。お酒もギャンブルも恋愛もそれ自体悪いものではない。むしろ適度に頼ることで心を支えてくれる人生のパートナーでさえある。しかし適度に頼ることができなくなるとそのパートナーはたちまち牙をむき、人生を破壊する悪魔に変貌してしまうのだ。
 適度に頼って楽しめる人と、没頭し過ぎて依存症になってしまう人の違いはどこにあるのか…それが今回のクエスチョンだった。

 依存症になってしまった人が何か異常な性格の持ち主だったということは滅多にない。この難病を患うのはどこにでもいる普通の人間。では何故彼らの心に依存症の悪魔が棲みついてしまったのか。本日のミーティングでもいくつかの見解が得られたが、その中の一つをご紹介しよう。

 それは「足るを知らない人」。事例に登場した三人も確かにそれぞれに満たされなさ・不足分を抱えていたけれどけして不幸な人たちではなかった。自らが足りていること、ちゃんと手にしている幸福もあることを感じることができていたら、もしかしたら依存症になるのを避けられたかもしれない。
 この見解はスタッフの一人が口にしたものだが、それも患者さん含めみんなで見解を積み上げたからこそ見えたものだ。毎回素敵な見解にたどり着けるわけではないけれど、やっぱりこれがミーティングの持つ力なのだと思う。

 あなたは自分の足るを知っていますか?

(文:福場将太)

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