コラム

コラム2015年08月「医局の孤独、孤独の幸福」

 暑いですね。北海道の夏はカラッとした爽やかな暑さだと聞いていたのにとても蒸し暑い。寝苦しい夜、起床時にすでに疲れている朝をみなさんも送っておられることでしょう。  実は江別すずらん病院は設計段階ではクーラーを備えない構想もあったそうです。これは九州生まれの理事長の北海道への希望的観測によるもの。まあ当然道産子スタッフによりその構想は阻まれたわけですが、結果的にはそれで正解でした。患者さんとスタッフの健康を維持するために、猛暑日にクーラーは欠かせません。まあその分事務長は電気代節約に頭を抱えていることでしょう。

 そんなこんなで有難いことに医局にもクーラーが入っています。クーラーだけではない、ソファにテレビに冷蔵庫にコーヒーメイカーまで置いてあります。当初は無用な贅沢だと感じたりもしたのですが、やはりさすがは理事長、全ては計算されていました。ドクターは外来あるいは病棟、往診やクリニック業務などあちこち動き回っているので、実際に医局の自分のデスクにいる時間はそう長くない。しかしすぐまた席を立つ短い時間でも、やはりそこが快適だと元気が湧くのです。暑さや忙しさで疲れていたとしても、医局に戻ってくるとどこかほっとするのです。

 連日の猛暑でどうも睡眠不足が溜まっていたある日もこの医局に救われました。残業していてもう他に誰もいない医局。クーラーを止めても残った冷気で十分に涼しい医局。そしてそこにはソファ。
 …抗えませんでした。寝苦しい自宅に戻る前に、少しでも快適に眠りたい。ソファに身を預け気付けばそのまま…あっけなく夢の世界へ。途中何人か医局に出入りしている気配がありましたが、警備員さん?残業のコメディカルスタッフ?それを確認する余裕もないほど心地よく眠らせて頂きました。わずか一時間ほどでしたが疲れが取れた気がしました。

 まあさすがに医局には食材はないので夕食は当直用のカップ焼きそばになってしまいましたが、なんだかそれもとてもおいしく感じました。

 さて、今日も日差しは強い。窓の外には建設が始まったあの建物が未来に向かって聳えようとしている。体にもそして心にも水分補給を忘れずに、みなさん元気にいきましょう。

(文:医局員)

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