コラム

2012年05月『病院のあった丘から』

 美唄の桜もようやく咲きました。そしてこの美唄メンタルクリニックも駅前に移転して丸一年が経過したわけです。クリニックに早番で出勤していると、駅前でとあるバスを見かけます。そうバスには「江別すずらん病院の文字・・・そうです、これが新しい病院への職員送迎バスなのです。
 思えば美唄の山の中にあった「希望ヶ丘病院」、やがて「美唄病院」と名を変えてこのクリニックも誕生しました。そして美唄病院はその40年以上の歴史に一度区切りをつけ、平成24年4月に長年の夢だった「江別すずらん病院」として再スタートしました。あの病院のあった丘も今は空っぽ・・・、そして美唄の心の医療の窓口としての使命がクリニックに託されたのです。

 朝クリニックから送迎バスに乗り込む職員たちを見かけると、少し距離は離れてしまったけど同じ医療法人の仲間としてお互いの責務があることを感じます。また夕暮れ時にちょうど美唄に戻ってきた送迎バスの前をデイナイトケアを終えたメンバーさんが通りかかったりして、挨拶しあっている姿を見かけたりするとなんだか嬉しくなります。やっぱり、みんな同じ医療の仲間なんですよね。

 でも振り返ってばかりはいられません。あの丘から歩き出した僕たちは、前に進んでいかなくてはいけません。ある者はバスに乗り込み、ある者はクリニックのシャッターを開ける・・・そんな早朝の駅前の光景は、この医療法人の歴史においてとても意味深い接続点であるように思います。

 ネオ美唄!今日もみんなでがんばりましょう!

イメージ

(文:福場 将太 写真:マサピー)

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