アディクションカレッジ活動日誌

2018年02月『再始動へのカウント2』

 平成30年2月20日(火)、再び江別すずらん病院のスタッフにも出向してもらって二度目のミーティングを開催した。今回のテーマは『ある依存症患者の生涯』、江別すずらん病院の勉強会でもくり返し行なっているテーマだった。

 依存症の一番の専門家は誰なのか。精神科医か?看護師か?精神保健福祉士か?作業療法士か?それとも心理士か?
 この仕事に就いて十数年経つが、最近強く感じる。一番の専門家は間違いなく患者さんだと。実際に依存症と闘い依存症と生きている患者さんこそが医療者の何倍も依存症について理解している。学者が数十年研究してやっとたどり着いた結論を、患者さんは当たり前のように知っていたりするのだ。
 近年は患者さん自身がミーティングを通して自らを研究する当事者研究という手法が精神科医量で注目されているが、実は依存症治療においてはもう何十年も前からそれは行なわれている。断酒会という形で、AAという形で、自助グループと呼ばれるミーティングが開催されてきたのだ。当事者同士がお互いを支えあい、自らの経験を開示しあい、依存症克服のために研究しあってきたのだ。自分より前を歩く先輩の姿に励まされ、自分より後ろを歩く後輩の姿に背筋を正され、支えてもらうだけでなく誰かを支えることによって回復していく…それがミーティングの持つ力。「依存症の克服にはミーティングが効果的」と発見した人はすごいと思う。

 本日もそうだった。スタッフの誰も思いも寄らなかった角度で患者さんが意見を言ってくれた。医療者は専門用語はたくさん知っていても本質を知らない。アディクションカレッジはスタッフが患者さんから教わることも非常に多いプログラムなのだ。

 人間は誰もが不完全。だからこそお互いが必要でありお互いを支えあえる。僕が精神科医量の中でも特に依存症治療に惹かれてしまうのはそんな人間らしい営みを感じるからかもしれない。
 来年度の定期開催に向け、現在虎視眈々と準備中である。

※3月26日にも開催予定ですので参加希望の方はお問い合わせください。

(文:福場将太)

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